おわりに
(吉岡)
どうでしたか。囲碁の雰囲気が伝わったでしょうか。わずか2時間の教室でしたが、さすがの三宅さんもお疲れの様子です。普段なら、読めない経路は無いくらいの三宅さんでも、プロ棋士の切れ味には感服の様子でした(結果は、三宅さんの地が多かったですが、4子置いて指導碁なので)。でも、途中で教わっていない事を論理的な考えで導き出して打ったりと、さすが三宅さん、ミスターAIの面目躍如でした。現代数学を本格的に勉強した朝倉さんは、それらしくクリアな手を打っていたようです。攻守のバランスのセンスが良いと先生にお褒め頂きました。帰納法と演繹法をいったりきたりする数学の証明訓練の賜物かもしれません。Johnさんは攻撃的な碁で、それを事前に言われていたせいか、今回は委縮気味だったようです。三人とも、もし、本格的に囲碁をはじめたら、きっと強くなりそうです。というか、僕は、あっという間に追い抜かれることでしょう。まあ、細かい事はともかく、普段仕事で使うのとは違う頭脳フル回転の、楽しい2時間を過ごせたことが何よりの成果でした。
CEDEC 2011では、「超早碁九路盤AI対決」の予選を、会場となるパシフィコ横浜会議棟のオープンスペースで実施予定です。ここでは、今回先生を務めて下さった万波先生らによる囲碁入門教室も開催予定です。最終日には予選を勝ち残ったプログラム同士の決勝戦を行います。予選も、決勝戦も、プロ棋士の方による局後解説をお願いしています。これを通して、囲碁に限らずゲームAI全般に関するヒントを得て頂けると思います。CEDECという最新技術を用いたゲームについて学び、議論する場で、囲碁という最古のゲームに触れるのも、また一興ではないでしょうか。
なお、「超早碁九路盤AI対決」では参加者を募集中です。申し込みは簡単。 に参加したい旨メールを下さるだけです。締め切りは、7月29日です(プログラムの開発は、8月下旬まで行って頂けます)。腕に覚えのあるプログラマーの方、研究者の方のご参加を国内外からお待ちしています。既にお持ちの囲碁AIプログラムを、当企画用に改造して参加して頂いても結構です。あるいは新人研修への応用というのもアリかと思います。人事部の方、教育担当の方におかれましてもご検討賜れば幸いです。
皆様の「超早碁九路盤AI対決」へのエントリー、ならびにCEDEC 2011へのご参加を、心よりお待ち申し上げております。