エンジニアリング
クロスボーダー「AI×言語解析」パネルディスカッション
- 日時
- 9月3日(水) 16:30~17:30
- 形式
- パネルディスカッション
受講スキル | 人工知能技術のゲーム開発への応用を目指すゲームデザイナ、エンジニアの方。 |
---|---|
受講者が得られるであろう知見 | 人工知能における言語解析技術のゲーム開発への応用の方法 |
セッションの内容
IT業界では蓄積された膨大な言語情報を、人工知能技術、具体的には言語解析技術、データマイニング技術、統計処理技術を軸に、解析し新しい情報や知見を得て来た。ゲーム産業はこれまで言語解析技術を本格的に用いることはなかったが、次世代ではユーザーから入力される言語情報(文字・音声)に対するデータマイニング、音声解析技術が、最も必要とされる人工知能技術の一つとなると予想される。一方アカデミックな研究においては、IT業界の言語解析技術の盛り上がりを受けてソーシャル・ネットワーク上に蓄積される言語情報を大規模に解析する研究が増加している。
このような流れを受けて、本パネルディスカッションでは言語解析技術がゲーム産業の未来において果たす役割をできる限り広いビジョンで紹介する。パネリストとして広島市立大学の稲葉通将氏を招き、ソーシャル・ネット
ワークにおける言語解析技術の知見を紹介して頂くと共に、広島市立大学、東京大学、電気通信大学を始めとするグループが共同で研究している言語を用いたコミュニケーションゲーム「人狼」を用いた言語コミュニケーションのためのオープンな人工知能研究のプラットフォーム「人狼知能プロジェクト」を紹介して頂く。( 人狼知能プロジェクトhttp://www.aiwolf.org/ )
人狼は人間のプレイヤーがそれぞれのロールを割り当てられ、その立場に応じてお互い協調したり、だまし合ったりするコミュニケーションゲームである。「人狼知能プロジェクト」はこういった人間同士の会話のやり取りをソフトウェア上でフレームワーク化(プロトコル化)することで、人工知能同士、人間同士、人工知能と人間同士がゲーム上で分け隔てなくコミュニケーションするプラットフォームを提供するものである。言語コミュニケーション、知識推論、ゲーム理論、集合知など人工知能技術の実験の場を、研究者、ゲーム開発者が横断的に参加できるオープンなプラットフォームとして期待されている。
今回は、この「人狼知能」を話題の中心として、ゲーム産業における言語解析の応用の可能性と導入方法を紹介する。
さらに 、アニメーション「サイコパス」を始め、シナリオライター・作家として高名な深見真氏をお招きし、言語を扱う人工知能のエンターテインメントにおける広がりをコメントして頂く。
講師プロフィール
-
三宅陽一郎
株式会社スクウェア・エニックス
テクノロジー推進部
リードAIリサーチャー
1975 年、兵庫県生まれ。京都大学で数学を専攻、大阪大学で物理学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。デジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。IGDA日本ゲームAI専門部会設立(世話人)、DiGRA JAPAN 理事/研究委員、人工知能学会会員。共著『デジタルゲームの教科書』ロングインタビュー『デジタルゲームの技術』 翻訳監修『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』(ソフトバンク クリエイティブ)『はじめてのゲームAI』(WEB+DB PRESS Vol.68、技術評論社)。ゲームAiラウンドテーブル・オン・ツイッターは毎月主催し30回以上を重ねる。論文、講演資料はWebブログを通じて公開している。「y_miyakeのゲームAI千夜一夜」http://blogAI.igda.jp
《講師からのメッセージ》
-
稲葉通将
広島市立大学大学院
情報科学研究科 知能工学専攻
助教
2008年 名古屋大学工学部電気電子・情報工学科卒業.2012年 名古屋大学大学院情報科学研究科修了.博士(情報科学).同年広島市立大学大学院情報科学研究科助教.対話エージェント,対話処理に関する研究に従事.電子情報通信学会,情報処理学会,情報処理学会,IEEE各会員.
《講師からのメッセージ》
-
深見真
フリーランス
作家・脚本家
1977年、熊本出身。大学在学中にファミ通えんため大賞ドラマ企画部門で審査員賞受賞。
2001年、富士見ヤングミステリー大賞で大賞受賞。商業作家デビュー。
2002年、角川NEXT賞受賞。
2012年、TVアニメ『PSYCHO-PASS -サイコパス-』で虚淵玄と共同脚本。
現在、ビッグコミックスピリッツにてコンピューターハッカーの世界を描いた漫画『王様達のヴァイキング』にストーリー協力として参加中。
ニトロプラスから発売予定のSF・PCゲーム『ネクロマンサー』シナリオ担当。《講師からのメッセージ》
共同研究・開発者
鳥海不二夫 (東京大学大学院 工学系研究科システム創成学専攻 准教授)