アカデミック・基盤技術

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団体招待 AC    ENG

将棋の次は人狼か?

日時 
9月3日(水) 14:50~15:50
形式 
パネルディスカッション
受講スキル

人工知能や人狼というゲームに興味がある人

受講者が得られるであろう知見

人工知能に関する最先端の知見 コンピュータにとって人狼がむずかしい理由

セッションの内容

今年開催された将棋の第3回電王戦もコンピュータがプロ棋士に4勝1敗と大きく勝ち越した。もはやトッププロ棋士にコンピュータが勝つが勝つのも時間の問題であり、将棋は人工知能のグランドチャレンジとしての役割を終えつつある。人工知能の次のグランドチャレンジとして注目されているゲームが人狼である。このゲームでは対話が重要な役割を果たすためにコンピュータには非常にむずかしい。人工知能に人狼をプレイさせるプロジェクトを始めた研究者と人狼の魅力にはまっているゲームクリエータに人狼と人工知能の可能性について語ってもらう。
人工知能人狼のサイト: http://www.aiwolf.org/

【本セッションは、情報処理学会 ゲーム情報学研究会とのコラボセッションとなります。】

講師プロフィール

  • 松原 仁

    松原 仁

    公立はこだて未来大学

    研究者(人工知能)

    1986年東大大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了.同年通産省工技院電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)入所.2000年公立はこだて未来大学教授.人工知能,ゲーム情報学,エンタテインメントコンピューティングなどの研究に従事.人工知能学会会長.著書「将棋とコンピュータ」,「鉄腕アトムは実現できるか」,「ロボットの情報学」(共著),「先を読む頭脳」(共著),「コンピュータ将棋の進歩」(共著)など.

    《講師からのメッセージ》

    人狼はコンピュータにとってはとてもむずかしいゲームです.プレイヤが多人数で,言葉のやり取りが大きな役割を占めています.その人狼をプレイするプログラムをなんとか作っていきたいと思っています.ぜひみなさんもトライしてみませんか.

  • 大澤 博隆

    大澤 博隆

    筑波大学

    システム情報系

    研究者(人工知能)

    2009 年慶應義塾大学大学院開放環境科学専攻博士課程修了. 2009 年慶應義塾大学訪問研究員及び米国マサチューセッツ工科大学 AgeLab 特別研究員.2010 年日本学術振興会特別研究員 PD に採択され,国立情報学研究所へ出向.同年から 2011年にかけて,JST さきがけ専任研究員に従事.2011 年より 2013年まで,慶應義塾大学理工学部情報工学科助教.2013 年より現在まで,筑波大学大学院システム情報工学研究科助教.ヒューマンエージェントインタラクション,人工知能の研究に従事.情報処理学会,日本ロボット学会,人工知能学会,IEEE,ACM 等会員.博士(工学).CEDEC2013インタラクティブセッション発表「バーチャルとリアルを行き来するエージェント・キャラクターの表現」など

    《講師からのメッセージ》

    人間の中に隠れた狼をコミュニケーションのみから見つけ出す人狼というゲームについて、主にヒューマンエージェントインタラクションの立場から研究を行っています。人狼は言葉のみで他者の立場を推理し、他者を説得する必要のあるゲームです。
    他者の立場を推理するためには、他者の考えていることをモデル化する必要があります。それに加えて、他者を説得するため(≒他者に信頼されるため)には、他者が考えている自分自身もモデル化する必要があります。人狼はこうした複雑で社会的な駆け引きをプレイヤーに要求する「ある意味人間らしい」ゲームであり、将棋やチェスなどの完全情報ゲームとは少し違った種類の賢さが求められる課題です。
    人狼を解くために必要となる社会的知能に関わる発見・知見は、人狼そのものだけではなく、ビデオゲーム中のキャラクターとユーザとのやりとりをより魅力的に見せる際にも貢献していくのではないかと思います。

  • 稲葉通将

    稲葉通将

    広島市立大学大学院

    情報科学研究科 知能工学専攻

    助教

    2008年 名古屋大学工学部電気電子・情報工学科卒業.2012年 名古屋大学大学院情報科学研究科修了.博士(情報科学).同年広島市立大学大学院情報科学研究科助教.対話エージェント,対話処理に関する研究に従事.電子情報通信学会,情報処理学会,情報処理学会,IEEE各会員.

    《講師からのメッセージ》

    人狼知能プロジェクトは,コンピュータに人狼をさせることを目指した野心的なプロジェクトです.今回は本プロジェクトと現在までの成果,今後の展望を紹介するとともに,専門である言語コミュニケーションを行う人工知能の最新の研究成果についてもお話したいと思います.

    また,研究成果を実装した対話エージェントKELDICがTwitter上で稼働中です(https://twitter.com/KELDIC/).興味のある方は是非フォローしてみてください.

  • イシイジロウ

    イシイジロウ

    ゲームクリエイター人狼会

    主宰

    ゲームデザイナー・シナリオライター 1967年日本生まれ。広告・映像業界を経てゲーム業界に。
    代表作 ディレクション「3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!」「428 ~封鎖された渋谷で~」「タイムトラベラーズ」等/プロデュース「TRICK×LOGIC」「極限脱出9時間9人9の扉」TVアニメーション「CANAAN」等
    2013年よりゲームクリエイター人狼会を結成、名立たるゲームクリエイターを集めて月に数回、定例会を重ねている。ゲームクリエイター人狼会のテーマはプレイする人が面白いだけでなく、他人が見ても面白いと思える”魅せる人狼”を目指して。

    《講師からのメッセージ》

    個人的な見解ですが、人狼と言うゲームはデジタルゲームから一番遠い存在だと思っています。だからこそ僕たちゲームクリエイターがこれほどまでにはまる魅力があるのかと。その人狼をAIに?!そんな研究があると聞いたときに本当に驚きました。「まだ早過ぎる!」と。しかし研究者の先生方と話すにつれ「人狼のAI研究はコンピュータやプログラムの未来に大変重要な役割を果たすのではないか?…早過ぎるなんて事は無いぞ」といった考えに変化していきました。今回のセッションでは人狼プレーヤーとして、そしてビデオゲームデザイナーとしてAI研究の先生方に切り込んでいうと思っています。