歴代講演者コメント
株式会社ゲームアーツ 風間紀明 | 株式会社バンダイナムコスタジオ 多田 航 |
株式会社スクウェア・エニックス 清水佑輔 | 株式会社カプコン 田中 雅之 |
株式会社セガゲームス 樋口 雄一 | 株式会社カプコン 大井 勇樹 |
株式会社スクウェア・エニックス 田中瑞枝 | TinyCo 菊地 麻比古 |
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そのアカウントは活きているか? ~タイトル公式Twitterアカウント、開発者による運用のススメ~
株式会社ゲームアーツ 風間紀明
1.CEDEC講演に向けて、どのような意気込みで望んだか?
気づけば自タイトルの公式アカウント運用をはじめて、3年経っていました。
そんな折、CEDECのセッション公募告知を見かけたのでした。
そういえばTwitterにフォーカスしたセッションて、過去なかったはず…という軽い気持ちで応募してみました。
アカデミックなセッションではなく、かなりエンタテインメント寄りなテーマだし、人は集まってくれるだろうという読みもありました。
ただし、自分としてもTwitterにはかなり心血注いだ自負がありましたので、やるからには知見をきっちり言語化して伝える努力をしよう、 受講した人に役立ててもらえるようにしよう、と思い、かなりはやくからスライド作成を始めていました。
業務の空き時間にいじっては消し、いじっては消し…なんだかんだでセッション直前までいじっていたのを覚えています。
2.結果、講演後にどんな良い影響があったか?
やはり「みたよ!」といろんな方にお声がけしていただいたのが大きいです。
『Twitter運用に興味を持っているゲーム開発者』は予想以上に多かったです。
また前項でも書きましたが『自分の知見を言語化する』という作業によって、行うべきことやその理由が自分の中でも明確になったのも、思わぬ効果でした。
3.CEDEC2016の講演者公募を検討している方々へのメッセージ
ゲーム作りも初期衝動これ重要!
迷ってるなら応募してみましょう。体裁はあとから追いついてきます。
セッション後のあなたは、必ずひとまわり大きくなっていると思います。
4.今まで CEDEC を受講した事が、今回の講演に役だった点
他のみなさんのセッションを受講していた事で、どういった流れで話すべきなのか、スライド内容はどんな感じなのか、ある程度掴めていたことは安心につながっていたと思います。
ポッ拳におけるゲームエディタの設計と実装
株式会社バンダイナムコスタジオ 多田 航
1.CEDEC講演に向けて、どのような意気込みで望んだか?
CEDECは一般的には公開されることのない開発情報を公開できる数少ない機会ですので、具体的なタイトルに紐付いた開発事例を公開しようと考えていました。
各種事例では「なぜそう考えたのか?」「目的は何なのか?」「実装した結果どうなったのか」といった実際に開発しなければ分からない情報を盛り込みました成功事例よりも失敗事例が多かったのはこのためです。
また、講演会場に足を運んで頂いた方になるべく有益な情報を持ち帰って頂くため、実機デモなどを用意しました。
2.結果、講演後にどんな良い影響があったか?
今回の講演で自分の技術が足りない箇所が把握出来ましたので、次に向けて勉強しようと考えるようになりました。
3.CEDEC2016の講演者公募を検討している方々へのメッセージ
知識を蓄積することで、より面白いゲームを開発することが出来ます。
4.今まで CEDEC を受講した事が、今回の講演に役だった点
今までのCEDECでの講演が自分に良い影響を与えていましたので、少しでも恩返しができればと思っています。
「ヘブンストライクライバルズ」英国スタジオとのスマホゲーム共同開発
株式会社スクウェア・エニックス 清水佑輔
1.CEDEC講演に向けて、どのような意気込みで望んだか?
受講者の方が来てよかったと思ってもらえる講演にすることを意識して資料とスピーチの準備をしました。
今後、モバイルゲームは国境を超えて開発とサービスが拡大していき、海外の会社と仕事をするゲーム開発者も増えていくと個人的に思いましたので、とくにそういった方が聞きに来た時に役立つ情報を盛り込むことを意識しました。
とはいえ、「この講演内容は受講者にとって有益か?」と不安となることもありましたので、同僚や講演経験者にアドバイスをもらい、修正して望みました。
2.結果、講演後にどんな良い影響があったか?
講演後にも受講者が質問に来てくださったり、その方から自分も知らないノウハウを聞けたりもしました。
ニュース記事にも取り上げていただき、世の中の人に知ってもらえました。
3.CEDEC2016の講演者公募を検討している方々へのメッセージ
自分が伝えたいこと、イコール、受講者が聞きたいことではないことは案外多いです。近くにいる人から意見を聞いて、伝えたい内容を精査することをオススメします。
また、いままで大勢の前でスピーチすることがなかったのでとても緊張しました。
これを解消する方法はありませんので、あきらめてください(笑)
あきらめれば少しは緊張がほぐれるかもしれません。
4.今まで CEDEC を受講した事が、今回の講演に役だった点
過去に自分が受講して、良かった講演の資料や構成、スピーチはとても参考にしました。
サウンドマネジメントとは? ~クリエイターがよりクリエイティブに!~
株式会社カプコン 田中 雅之
1.CEDEC講演に向けて、どのような意気込みで望んだか?
20年業界に身を置かせていただいている人間として、小さなことでも業界に恩返ししたい、という気持ちで望みました。
実践的、専門的でも分かりやすさを重視し、持ち帰ってすぐに試すことができそうか、そうでなかったとしても「気づき」のきっかけとなればとの思いで、岡田 信弥、岸本 基と共に準備をしました。
2.結果、講演後にどんな良い影響があったか?
いろんな方からお声掛けいただけ、そこで話すことで同じような課題を持つ業界人として、知識や悩みを共有できました。
ご質問いただいた事によって我々も気づきがあり、双方向的に成果を得られたのではと思います。
3.CEDEC2016の講演者公募を検討している方々へのメッセージ
CEDECは新しい発見と、自分の仕事の答え併せ、気付きになる素晴らしい機会だと思います。
他に比べゲーム業界はまだまだ歴史が浅く、そこに身を置く人間が受け身にならず、当事者意識をもって知識共有していくべきと思います。
どんな小さなことでも、必ず誰かの心に響くことと思いますので、勇気と自信を持ってチャレンジいただきたいです!
4.今まで CEDEC を受講した事が、今回の講演に役だった点
受講したことで、様々な出会いがあり、また自分たちがやってきたことが業界へのヒントになるかもしれないと気づく事ができました。
Technical Artist Bootcamp 2015 vol.2
株式会社セガゲームス 樋口 雄一
1.CEDEC講演に向けて、どのような意気込みで望んだか?
普段仕事をする上で気づいたことなどを、なるべく一般化した形で共有化できればと思い準備していました。
2.結果、講演後にどんな良い影響があったか?
講演後に書いていただいたアンケートの集計結果などから反響が伝わり、同じようなことをしている方がかなりいらっしゃるのだなと励みになりました。また、CEDEC期間中のパーティや交流会などでは講演についての話題からお話出来たりするので話しやすいかと思いました。
3.CEDEC2016の講演者公募を検討している方々へのメッセージ
身近なことでも業界への情報共有は長い目で見て業界全体の発展につながると思いますので、自身のケース、自身の経験などを共有していただければと思います。
4.今まで CEDEC を受講した事が、今回の講演に役だった点
資料の密度、話すスピードなどを参考にさせていただいておりました。しかしながら当日は予定外のことも起こるので、予定や練習通りにはいかないですね。
カプコンVS全学生!CAPCOM GameJamで生まれた学生とカプコンとの絆
株式会社カプコン 大井 勇樹
1.CEDEC講演に向けて、どのような意気込みで望んだか?
私が従事しているテクニカルサポートやテクニカルディレクションといった業務は業界内でもマイノリティではあるものの、同じ立場の方からは共感が得られ、そうでない方にも新たな価値観の気付きになるだろうという確信はありましたので、特に気負いせず臨むことができました。
CEDECというと、技術バリバリな話がメインでついていけるか心配、カプコンという会社の発表であればなおのこと、というイメージをお持ちの方も少なからずいるのではと思いますが、そういった方にも楽しんでいただけるよう、発表内容や場の雰囲気づくりには熟考を重ねました。
我々はお客様に楽しさを提供する仕事をしているのですから、講演を聞いてくださる方もお客様として楽しんでいただこうと常に思っています。
2.結果、講演後にどんな良い影響があったか?
他の方々の例に漏れず、やはりたくさんの開発者の方々との交流の機会が増えました。
講演をしていなくても、当然自分から開発者の方々へコンタクトを取ることは可能ではありますが、
周りからコンタクトしていただけることで、さらにその量が倍増したという感じです。
名刺交換の際に「CEDECで◯◯の講演をしていました」というと、
その後の会話が大変スムーズなので、とてもありがたいです。
サポート業務やマネージメント業務では、顔が広いということも武器の一つになりますが、
メディアの方に講演を記事にしていただいたおかげで、社内でも部署の認知度が上がり、
声をかけていただくことも増えたので、業務の質の向上につながっていると感じます。
飲み会の席のネタにもできますし、社内での査定のネタにも使えます(笑)。
基本的にいいことだらけですよ!
3.CEDEC2016の講演者公募を検討している方々へのメッセージ
「見る前に飛べ!」…と言いたいところですが、
近年のCEDECでは講演の応募数が非常に多いと聞きます。
やるからには講演の価値がきちんと伝わらなければいけません。
基本的には講演もゲーム開発も「お客様に対して価値をお届けする」という点では
共通していますので、考えることはそこまで変わらないと思います。
①誰を対象にしているのか
(職種は何か、入門者か上級者か、ニッチなのかマスなのか、…etc)
②対象者にどんな価値(楽しさ)を提供するのか
(技術なのか、マインドなのか、モチベーションなのか、…etc)
③内容にどのように新規性や特異性を持たせるのか
(要するに「引き」はどこにあるのか)
上記のようなことを考えることで、採択される可能性が上がるのではと思います。
「技術的に特化している」ということは上記を考える上での選択肢のひとつに過ぎません。
100人の開発者がいれば、100の考え方がありますので、皆さんの思う「これを広めたい!」というものを選べばよいかと思います。
採択されてしまえば、あとは自分が正しいと思うことを表現するだけです。
講演でヘマをしたくらいでは、死にもしないし減俸も免職もまずされることはありませんので(笑)、自分を信じてやりきりましょう!
4.今まで CEDEC を受講した事が、今回の講演に役だった点
会場の広さや雰囲気、時間配分、講演の構成、受講者とのインタラクションなど、
自分が受講していて、これはいい、ここはこうした方がいい、自分ならこうする、
といったことは、すべて自身の講演にも活かされています。
これらは、普段ゲームをプレイしながら考えていることにも通じていると思います。
質疑応答に耳を傾けたり、参加者の方と交流をすることで、受講している方々がどんなことを求めているのかが見えてくると思います。
セッションを受講するだけでなく、より多くの情報をハングリーに求めることが、いい講演につながっていくのではないかと思います。
MMORPGで感動のストーリーテリングを! ~ドラゴンクエストXのクエスト制作のツボ~
株式会社スクウェア・エニックス 田中瑞枝
1.CEDEC講演に向けて、どのような意気込みで望んだか?
これまで、大小いくつものゲーム開発を行ってきましたが、その中で、大規模開発における、チーム制作の手法(ツボ)——我々の開発チームが、制作の過程で「あたり前にやっていること」を振り返り、まとめ、発信することで、他のゲーム開発に携わっている方やゲーム業界を志す方の、何らかの刺激になるとステキだな、と思って応募を決意しました。
講演内容の詳細を詰め、資料を作っていく中で、「今、やってることはこれでいいのか?」「もっと良い方法はあるんじゃないの?」といったことを、あらためて見つめ直すことができ、自分自身にとっても意義あるものになったと思います。
講演時には、できるだけ平易な言葉でお伝えできるように心がけました。広い会場で、壇上に上がって最初は、少し雰囲気に飲まれそうでしたが、話し進めていくうちに、乗れてきたように思います。
2.結果、講演後にどんな良い影響があったか?
講演後の質問やアンケートなどから、「講演者が話したいと思ったこと」と「聴講者が聞きたいと思っていること」は必ずしも同じではない、ということを強く感じました。聴講者は千差万別です。いろんな想いや期待を持ってCEDECに来ており、その多くが「自分が聞きたいことを、見聞し、持ち帰りたい。」と思っています。一方、「こういう話だと聞きに行ったら、新しい発見があった。」という感想もいただきました。事前の公演情報の書き方や、資料の作り方、話の持っていき方など、今後に活かしていきたいと思います。
また、普段は開発内での業務のため、初見の方たちの前でお話をする、という貴重な機会をいただけたことは、本当にいい経験でした。講演後にも多くの方が質疑応答に来てくださり、改めて、自分が携わっている開発は、多くの方に期待されているということを身近に感じられ、身の引き締まる思いです。
3.CEDEC2016の講演者公募を検討している方々へのメッセージ
自分自身、CEDEC自体が初参加で、「CEDECって聞いたことあるけど、そもそもなんぞ?」という段からの応募でした。応募、資料作成、機材の準備、講演練習、そして当日……と、いろんな方々との関わり合いは、初めてのことばかりで、とても楽しかったです。。どんな経験であれ、「やってみて分かる。」ということは往々にしてあると思いますので、何か話したいことのある方は、まずは、応募してみてはいかがでしょうか?
アイデアの戦闘力を計測するスカウターを作る - ゲームエンジンを使った開発におけるゲームデザインの評価基準 -
TinyCo 菊地 麻比古
1.CEDEC講演に向けて、どのような意気込みで望んだか?
身の回りでわりと冷笑の対象になりがちな企画職が口にする「いや、こっちのほうが面白いんですよ」が、実は数値化してチームで共有することが可能なことを知ってもらいたかった。「いい感じで」とアセットを発注して「なんか違う」とダメだしする悪い大人を駆逐したかった。
2.結果、講演後にどんな良い影響があったか?
聴講して頂いた方からの質問やフィードバックのおかげでメソッドを改良できた。webメディアで取り上げて頂きモテることができた。
3.CEDEC2016の講演者公募を検討している方々へのメッセージ
自分では当たり前に思っていたメソッドや理論でも、公開するための文章化やビジュアル化の過程で理解がますます深まり、思ってもいなかった気づきがあると思います。また、みなさんから頂くコメントは間違いなくあなたの助けになるはずです。もし、チームでしか共有していないやり方があれば、自分のためにもこの機会にぜひみなさんに伝えてみましょう。僕は自分で思っていたより10倍自分の役にたちました!