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ショートセッション: リアルタイムCG技術の先端

日時 
9月7日(水) 11:20~12:20
形式 
セッション(60分)
受講スキル

SIGGRAPH などで発表されている先端CG技術に関する概要の基礎知識

【レンダリストのための物理ベースレンダリング -基礎理論編-】
- グラフィックスレンダリングおよび基礎的な数学に関する知識。

【曲率に依存する反射関数を用いたリアルタイムスキンシェーダの提案】
- シェーダプログラミングの経験

受講者が得られる
であろう知見

リアルタイムCGの最先端をゲーム開発に応用する可能性のヒント

【レンダリストのための物理ベースレンダリング -基礎理論編-】
- 物理ベースレンダリングに必須の基礎的な知識。主にレンダリング方程式、BRDF(Bi-directional Reflectance Distribution Function)への理解。

【曲率に依存する反射関数を用いたリアルタイムスキンシェーダの提案】
- 高速なスキンシェーダの理論と実装

コンピュータエンターテインメント、特にゲームで欠かせない技術要素は何でしょうか? 物理? AI? チューニング? 色々あるでしょうが、リアルタイムCG技術は欠かせないものであることに異論のある方はいらっしゃらないでしょう。先端CG技術は、一般には映像などのノンリアルタイム系で先行開発され、技術自体の改良や、計算機の性能向上によりリアルタイム化されます。

本セッションでは、CG研究を理解するための基礎知識講座と、日本におけるリアルタイムCG先端研究の一例を、お届けします。これから先のゲームグラフィックスはどのように進んで行くのか。そのヒントが得られるかも知れません。

モデレーターは、特にモーション系の研究分野で第一人者である豊橋技術科学大学の栗山繁教授です。栗山教授は、 CEDEC 2011 co-located event 「情報処理学会グラフィクスとCAD研究会・発足30周年記念 ~ CGリサーチフォーラム」 の運営にも関わって頂いています。


【レンダリストのための物理ベースレンダリング -基礎理論編-】

昨年までの弊社セッションではリフレクタンス(BRDF)モデルやライトの物理化について解説を行ってきましたが、クオリティの高い物理ベースレンダリングにおいては光の面積(積分)を考慮したレンダリングを欠かすことができません。そのためにはレイトレーシングベースの手法などを使用することが簡単な解決策の一つですが、現行ゲーム機では現実的な方法とは言えません。本セッションでは実装の一つして物理ベースのイメージベースライティングに必要な基礎的知識として主にレンダリング方程式を解説します。すでにレンダリング方程式について十分な理解のある方はこのセッションは必要ありませんので実装編をご覧ください。


【曲率に依存する反射関数を用いたリアルタイムスキンシェーダの提案】

人間の肌のような半透明物体を高速に描画可能なシェーダのテクニックをご提案します。本手法による描画コストは極めて低く、CEDEC2010ポスターセッションではポスター賞を受賞しました。本年は、提案法を改めて紹介するとともに、散乱パラメータの編集やメモリ使用量の大幅な削減など、昨年からさらに改良された技術とその実装について詳しくご説明致します。また、本手法は『真・三國無双6』で正式にスキンシェーダとして採用されています。提案法の長所として、既存の制作工程、及びレンダリングのフローに大きな変更無しに実装できる点が挙げられます。
本講演では実際のワークフローについてご紹介します。

  • 五反田 義治

    五反田 義治

    株式会社トライエース

    研究開発部

    代表取締役

    ゲーム製作スタジオ「株式会社トライエース」代表取締役。同時に研究開発部もまとめている。過去のGDC,CEDECでの講演やSIGGRAPHの委員、講演なども行なっている。

    久保 尋之

    久保 尋之

    早稲田大学

    理工学術院

    助手

    2006年早稲田大学理工学部卒.2008年同大学院博士前期課程了.2008年より2011年まで日本学術振興会特別研究員.2011年同大学院博士後期課程単位取得退学.現在,早稲田大学理工学術院助手.ACM SIGGRAPH2010 Talkセッションにて講演.CEDEC2010にてポスター賞(ホスピタリティ賞)受賞.

    土橋 宜典

    土橋 宜典

    北海道大学

    情報科学研究科

    准教授

    1992年広島大学工学部卒業.1994年同大学大学院工学研究科博士課程前期修了.1997年同博士課程後期修了.同年広島市立大学情報科学部助手.2000年,北海道大学大学院工学研究科助教授.2004年,同大学院情報科学研究科助手.2007年,同准教授.主として,コンピュータグラフィクスに関する研究に従事.博士(工学).

    津田 順平

    津田 順平

    株式会社コーエーテクモゲームス

    技術支援部

    シニアエキスパート

    <略歴>
    1993年コーエー入社。3Dツール等の開発を経て現在はCG、AI、シミュレーションなどに関連した社内ライブラリの開発業務に従事。

    <過去の講演>
    物理エンジンの作り方(CEDEC2008)
    物理エンジンの作り方その2(CEDEC2009)
    Practical rigid body physics for game
    (SIGGRAPH ASIA 2009 Course)

    森島 繁生

    森島 繁生

    早稲田大学

    理工学術院

    教授

    1987年東大・工・大学院電子工学専門課程博士修了,工博.同年成蹊大学工・電気工学科専任講師,1988 年同助教授,2001年同電気電子工学科教授.2004年早稲田大学先進理工学部応用物理学科教授,現在に至る.1994年から1995年トロント大学コンピュータサイエンス学部客員教授, 1999年より2008年国際電気通信基礎技術研究所客員研究員.現在,明治大学非常勤講師,新潟大学非常勤講師,早稲田大学デジタルエンタテインメント研究所所長.コンピュータグラフィックス,コンピュータビジョン,音声情報処理,ヒューマンコンピュータインタラクション,感性情報処理の研究に従事.

    栗山 繁

    栗山 繁

    豊橋技術科学大学

    情報・知能工学系

    教授

    1987年大阪大学大学院工学研究科修士課程修了,工博(1996).1988年日本IBM 東京基礎研究所,1994年広島市立大学 情報科学部助教授,1998年豊橋技術科学大学 情報工学系助教授, 2005年より同教授.2005年より2009年まで産総研 デジタルヒューマン研究センター可視化チーム長[兼任].

    《講師からのメッセージ》

    CEDEC 2011 では、9月8日に開催されるco-located event「情報処理学会グラフィクスとCAD研究会・発足30周年記念 ~ CGリサーチフォーラム」
    の共催も手伝わせて頂いてます。こちらもエキサイティングな内容ですので、皆さん、ぜひ振るってご参加下さい。

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