受講スキル | 海外文化に対する違和感を持った経験 |
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受講者が得られる | 世界の文化多様性とゲームとの関わりに関する理解 |
エンターテインメントは文化であり、従ってコンピュータエンターテインメントも文化といえます。それは提供先の文化との関係性を無視して成り立つことはできません。しかし、文化は人の生活であり、極めて多様な存在です。それを「理解」することは、もしかしたら「理解できない」ことを認めることからしか始まらないのかも知れません。
本セッションでは、日本以外の文化とゲームのかかわりについて考察した、独立したセッションを2本お届けします。それぞれの相違点、共通点などから皆さん自身での文化理解と開発への活用につなげるきっかけとしてください。
モデレーターはCEDEC運営委員会委員長の吉岡直人氏です。
【万国共通の言語「表情」の価値と、ゲームキャラクターにおける活用方法】
表情は人間が本能的に判別できる万能言語です。しかし日本は、その高い文化的均質性ゆえに、万国共通の表現と外国で通用しない文化表現の違いを見落としがちです。
このセッションでは、基礎的な心理学の視点から表情の重要さの説明を行い、外国における日本のゲームの評判と、ゲームキャラクターの演技の基礎となる表情の関係を明らかにします。例として、映画やゲームの映像を利用して比較していきます。
最終的に、ゲーム内での表情の技術の応用方法を提案します。
【イスラーム法とゲームパブリッシング】
イスラームの宗教法がゲームパブリッシングに及ぼす影響を、ローカライズの観点からレポート致します。イスラーム圏は、日本の国外向けゲームビジネスにとって、3つのメリットを含んでいます。カントリーリスクの低さ、人口やGDPの成長性、国産ハードの競争力がそれに当たります。
ただしそこでは、他教徒が感覚的に理解することの難しいイスラーム法、現地の慣習が、越えるべき壁として立ちはだかります。我々は文化の違いとどのように向き合い、相互に信頼を深めていくべきなのか。それについて、私からささやかなお手伝いをさせて頂くことが出来れば幸いに思います。
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米田 健
フリーランス
翻訳・通訳・文化コミュニケーションコンサルタント
斎藤 成紀
慶應義塾大学
法学部
政治学科
2011年現在慶応大学4年
高校からイスラームについて学び、法学部で得た知見を活かしたリサーチや、実際に渡航した先での調査などを行っています。
過去の発表・講演
2011 3/6 日本デジタルゲーム学会 若手発表会にて
2011 4/2 IGDAJ 第六回SIG-glocにて《講師からのメッセージ》
吉岡 直人
CEDEC 2011運営委員会
委員長
株式会社スクウェア・エニックス