受講スキル | 基礎的なGPUの知識 |
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受講者が得られる | GPUを使ってレイ・トレーサーを作成するために必要なデータ構造やアルゴリズム、およびそのトレンド |
リアルなCGの制作においてレイ・トレーシングは重要な役割を果たしています。近年注目を浴びているGlobal Illumination(大域照明)の実現には不可欠な要素であり、レイ・トレーシングのパフォーマンスは作業効率に大きな影響を与えます。演算量/電力の効率にすぐれるGPUはCPUを置き換えうる可能性を持っていますが、性能を引き出すのは簡単ではないなどプログラマにとって敷居が高いのも現実です。そこで、本セッションでは初級・中級者の助けとなるべくGPU上でレイ・トレーサーを実装する際に必要となるデータ構造やアルゴリズムを一部実装例を交え紹介します。
前半はCUDAを利用したレイ・トレーサーの実装方法を説明します。後半はデータ構造について解説し、近年発表された論文もわかりやすく紹介します。
CUDAを使ったレイ・トレーシング
1) GPUへのデータ転送
2) テクスチャの取り扱い(3D テクスチャ)
3) カーネル・プログラムの実行 (レイ・トライアングル交差判定を例に)
4) 他
高速化に使用されるkd-tree、BVHなどのデータ構造の紹介とその応用について
1) トラバース方法1 深さ優先トラバース
2) トラバース方法2 幅優先トラバース
3) キャッシュ・ミスをなくすためのデータ・レイアウト
4) 高品質なツリー
5) 応用例(画像などをもりこんで)
他
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大垣 真二
株式会社スクウェア・エニックス
技術開発部
シニア・アーキテクト
2002 年 : 北海道大学工学修士取得
2008 年 : Nottingham 大学統計学修士取得
2008 年 : スクウェア・エニックス入社