受講スキル | タンジブルなものを使ったシステム開発者 |
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受講者が得られる | 人形型インタフェースを用いた物語創作システムの構築法 |
1. 背景
ストーリーテリングに代表される物語エンタテインメントは映画やアニメーション,ラジオや絵本に代表されるメディアにおいて重要な役割を果たしており,教育や学習といった場面にも効果的である.近年では,ゲームなどのインタラクティブなものやユーザ投稿型のものなど様々な拡張が行われている.しかし,これらはたいてい,創作されたものを鑑賞するか,創作するか,どちらか一方の体験方式をとることが多い.また,一般的に創作型のシステムは小説であれば文字ベースであったり,映画やアニメーションは複雑で専門的な知識が必要であったりと,子どもやあるいは専門知識のない一般の人々にとってストーリーの創作は難しいと言える.
2. セッション主内容
そこで本セッションでは,子どもたちから大人まで楽しく直感的に操作することができるテーブルトップインタフェースを利用した物語エンタテインメントシステムについて講演する.本システムではフィジカルキャラクタという人形型インタフェースを用いて,ストーリー上のキャラクタの動作を入力することができるため,子どもの頃から慣れ親しんだ人形遊びという形でストーリーの創作が行える.本システムはテーブルトップインタフェースの他に,ストーリーエンジン,ストーリーモニタという大きな2つのサブシステムを持つ.前者はユーザが簡単にストーリーを創作できるようにキャラクタの行動制御等を行っており,後者は今テーブルトップインタフェースを用いて入力した動作を即座に仮想世界のキャラクタ動作として反映するモニタである.このように本システムはストーリーを比較的容易に創作でき,即座に実際のキャラクタ動作も提示されるため,創作と同時に鑑賞も行えるシステムとなっている.
また,本システムのプロトタイプを作成した.その評価実験についての結果と考察を述べ,本システムの効果の検証をする.
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濱名 克季
筑波大学大学院
システム情報工学研究科
大学院学生
2008年筑波大学第三学群工学システム学類卒業.2010年同学大学院博士前期課程システム情報工学研究科修了.現在,同学大学院博士後期課程システム情報工学研究科在学中.ゲームやエンタテインメントの研究に従事.
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星野 准一
筑波大学大学院システム情報工学研究科
エンタテインメントコンピューティング研究室
准教授
エンタテインメントコンピューティング,ゲームテクノロジーなどの研究に従事.平14,平15 ACM Advances in Computer Entertainment, Program Chair, 平15~16 日本バーチャルリアリティ学会エンタテインメントVR研究委員会 委員長,平17~18 情報処理学会エンタテインメントコンピューティング研究会主査.現在,IFIP Entertainment Computing Technical Committee日本代表.平成21年度にゲームキャラクタの行動制御技術についてCG国際大賞優秀賞.http://www.entcomp.esys.tsukuba.ac.jp