受講スキル | 入力インタフェースの分野、特にタッチパネルを搭載したゲーム機器のユーザーインタフェースに興味のある方にお勧めします。 |
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受講者が得られる | タッチパネルを採用したゲーム機が抱えるユーザインタフェース上の問題点とその問題を解決するハプティックアダプタの利用方法 |
・背景と目的
昨今、ニンテンドーDSやiPhoneに代表されるように様々な携帯機器でタッチパネルが多く利用されるようになっています。タッチパネルの利点は、パネル上で直接ドラッグやフリック操作を行う操作が直感的で分かりやすいとされています。ところが、タッチパネル上での操作は触覚的なフィードバックに乏しいために操作内容を目で見て確認しながら操作する必要があり、注視を怠ると誤入力をすることがしばしばあります。
また、タッチパネルをゲームのコントローラとして利用する場合、タッチパネルに繰り返しタッチしたり、タッチパネル表面で指を滑らせたスライド量でアナログ量を入力したりする操作は、従来のボタンやアナログスティックの操作に比べタッチタイミングやタッチ回数が不正確になってしまうことがあります。特にスライド量でアナログ量を入力する方法は触覚的に把握しにくいため、視覚的にその効果に注意しながら値を適正量に調整する必要がありました。
このポスター発表では、上述の問題点を改善するためのデバイスであるハプティックアダプタとその応用方法を紹介し、有効性を客観的に示す実験データとiPhone上で動作する自作したアプリケーションのデモによってその効果を分かりやすく示します。
・ハプティックアダプタとは?
ハプティックアダプタは、タッチパネルとそれを操作するユーザの指に介在し、ボタンを押した感触やボールを転がすような感触を付与するデバイスです。このデバイスの特徴は、ゴム素材を用いているため低コストであり、既存のタッチパネルに特別な機構を必要とせずそのまま使用することができることです。また、抵抗膜方式(ニンテンドーDS等)と静電容量方式(iPhone等)のいずれのタッチパネルにおいても使用可能です。
[参考URL] http:// kuma2.isl.titech.ac.jp/research/hapticadapter.html
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松村 将太郎
東京工業大学
像情報工学研究所
博士後期課程
2005年 熊本大学工学部電気システム工学科卒業. 2007年 東京工業大学大学院総合理工学研究科物理情報システム専攻修士課程修了. 現在, 同大学院博士後期課程在学中. 色情報を用いた画像処理に関する研究に従事する傍らiPhoneアプリ開発も手掛ける.
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熊澤 逸夫
東京工業大学
像情報工学研究施設
教授
昭56年 東京工業大学・工学部・電気電子工学専攻卒業.昭61年 同大大学院博士課程了.現在,東京工業大学・像情報工学研究所・教授.パター認識・画像処理,人工ニューラルネットワーク,認知知覚モデル、ユーザーインターフェイスの研究に従事.工学博士.
《講師からのメッセージ》