受講スキル | 初級~中級のサウンドデザイナー、サウンドプログラマー |
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受講者が得られる | サウンド素材の制作方法やプログラミングについてではなく、どのような仕様設計、素材準備、制御を行えば効果的な環境音演出を行えるか、に焦点をあてていきます。インタラクティブ環境音デザインについて、ご自身のプロジェクトに即応用出来るノウハウをお持ち帰りいただけることと思います。 |
自身がサウンドディレクターとして担当した『TRINITY Zill O'll Zero』での実装例を交えながら、演出的なインタラクティブ環境音をデザインする方法について解説していきます。
インタラクティブ空間において、効果的かつ破綻の無い環境音表現を行うには様々な困難が伴います。例えば、自由に動き回ることの出来るフィールドにおいて、みなさんはこれらについてどのようにアプローチされるでしょうか?
1)遠近感の演出(例えば、船着場では遠い波音の他に船底などから「ちゃぷちゃぷ」と聴こえますよね?)
2)方向性と包囲感の両立(例えば、大きな滝は、方向性だけでなく包囲感もありますよね?)
3)内側と外側の区別(例えば、砂浜側から聴いた波の音と海側から聴いた波の音って違いますよね?)
これらはサウンドデザイン各要素の中でも地味な分野と捉えられがちですが、こういった些細な演出の積み重ねがインタラクティブな世界に空気感と生命感を与え、リアリティを生み出すための重要な役割を果たします。
本セッションでは、これらの表現を可能にするための5つの再生制御方法と、その組み合わせによって表現出来る演出的空間構築ノウハウの紹介を中心に、インタラクティブ環境音デザインにまつわる様々なアイデアをご紹介していきます。
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中條 謙自
株式会社コーエーテクモゲームス
ソフトウェア開発本部サウンド制作部
マネジャー / サウンドディレクター / サウンドエンジニア
1996年、株式会社コーエー(現コーエーテクモゲームス)入社。サウンドディレクター、サウンドエンジニアとして数多くのタイトルに携わる。サラウンド制作に関する豊富な経験を持つとともに、エンジニア的観点から様々なサウンド空間演出を提案し、その存在を示している。代表作は『TRINITY Zill O'll Zero』、『戦国無双』シリーズ、『決戦III』など。