プログラム

招待 AC  

はじめての確率統計学
――おいしいとこ取りをめざして――

日時 
8月31日(火) 11:20~12:20
形式 
セッション(60分)
受講スキル

パターン認識や機械学習やデータマイニングといった「不確定なゆらぎを取り扱う情報処理手法」に興味があるけれど, 数学が原因で手を出しづらく感じている方.

受講者が得られる
であろう知見

確率・統計的手法の教科書が読めるようになる. たとえば『パターン認識と機械学習 - ベイズ理論による統計的予測』(シュプリンガー)など.

平均や偏差値だけしか知らない人向けの基礎統計学.
統計学入門というとアンケート調査や実験結果に対する○○検定が主になりがちですが,
本講演はもっと広義の「確率・統計的な情報処理」をターゲットとします:

・現実では「A なら 100% 必ず B」とはなかなかならず, どうしてもゆらぎが生じる
・そのゆらぎを確率・統計的視点で取り扱うことによって, 推定なり判定なりをうまくやりたい

……このような話をするために必要となる数学の勘所をかみくだいてご紹介します.
今までとは違ったものの見方やイメージが浮かぶようになることが目標です.

■ Part I: 本格「風」確率論

本格的な確率論では, 測度と呼ばれる抽象概念を土台に据えることによって明解な議論がなされます.
数学の専門家でなくてもその明解さを「おいしいとこ取り」できるように,この講演では本格「風」の確率論を導入します.
一般的な入門ではあまり語られない「ものの見方」をお楽しみください.

* 俺らにもそれ使わせろ!
* 確率とは?
* 確率は面積だ!
* 確率の図解から神様視点へ
* 神様視点
* 念押し
* 神様視点のうれしさ

■ Part II: 七つの御利益

確率論の基礎をひと巡りしながら, いろいろな話が本格風確率論ならいかに明解になるかを見ていきます.

* 趣旨
* (1) 確率の諸性質
* (2) 確率変数と確率分布の区別
* (3) ベイズの絵書き歌
* (4) 独立性のイメージ
* (5) 期待値の性質
* (6) 期待値と平均値の区別
* (7) 大数の法則の真意

■ Part III: 確率・統計的な情報処理

簡単な例で, 確率・統計的な情報処理の雰囲気を味わいます.

* やりたいこと
* Step.1 モデルをたてる
* Step.2 モデルのパラメータを推定する
* Step.3 そのパラメータで予測をする
* 実験時の注意(経験損失と期待損失)

  • 平岡 和幸

    平岡 和幸

    和歌山工業高等専門学校

    一般科目

    准教授

    東京大学大学院工学系研究科博士課程修了.
    埼玉大学助手, 同助教を経て和歌山工業高等専門学校に着任.
    著書『プログラミングのための線形代数』『プログラミングのための確率統計』(オーム社).

ページトップへ