エンジニアリング
FINAL FANTASY XVの開発を支えるバックエンド ~ アセットビルドシステムの仕組みと、ゲームプレイログの収集・可視化の取り組み ~
得られるで
あろう知見
セッションの内容
FINAL FANTASY XVでは、キャラクター/地形/UI/サウンド等のユーザーが直接触れるアセットから、ナビゲーションメッシュやコリジョン等の裏側で動くシステムの為のアセットが、100万以上ものファイルから成り、テラバイトにも迫る量の、複雑に関連しあった膨大な量のアセットで構成されています。
単なるバッチ処理には留まらない、make,maven,sconsの様なアセット間の依存関係を考慮したビルドシステムの設計の解説と、ゲームのローディングシステムと協調して動作する事で、如何にしてアセットの更新からロードまでのイテレーションサイクルを短くするかの仕組みについての解説を行います。
また、FINAL FANTASY XVでは、ゲーム中の様々な情報をログとして収集・蓄積・共有を行い、そして統計解析によって得られる様々な情報を、人間が見やすく判断しやすい様に可視化し、ゲームの品質を向上させる試みを実験的に行いました。
従来のテキストベースから一歩進んだ、高頻度かつ大量に出力されるログに対する技術的アプローチの説明、WEBブラウザをベースとしたログの可視化の技術や表現方法の説明、データベースサーバーを用いたログの蓄積や共有の仕組みの説明と、それにより得られた結果や、発見出来た不具合の事例を紹介します。
またログのリアルタイム可視化技術によって発見できた、プレイヤーの見えない所で起きていた不具合についての事例も紹介します。
注) これらの機能は開発時に限り有効となっており、製品版には組み込まれておりません。
講演者プロフィール
南野 真太郎
2013年より「スクウェア・エニックス株式会社 テクノロジー推進部」に入社し「Luminous Studio」の開発に従事。現在は「第2ビジネスディビジョン」に移り「FINAL FANTASY XV」の開発にプログラマとして従事。
2012年~現在にかけてCEDECのエンジニアリング部門の責任者として参加。
また「C++のためのAPIデザイン」(ソフトバンク クリエイティブ/2012年)「ゲームプログラマの為のC++」(ソフトバンク クリエイティブ/2011年)の監訳を担当。
Ingimar Gudmundsson
Ingimar has a Master's Degree in Applied Artificial Intelligence from the University of Exeter and an undergraduate degree in Physics from the University of Iceland.