レギュラーセッション

キャラクターは自分で考えることができる: GOAPによるマルチキャラクターの協力

講演形式
レギュラーセッション
講演時間
08月25日(金) 16:30 〜 17:30
講演ルーム
第3会場
受講スキル

マルチエージェントシステム、協力システム、特に全キャラクターを管理する上位の存在が存在しない世界構築に興味がある方。キャラクター間のコミュニケーションや交渉、制限のある知覚や知識内でのプランニングに興味がある方。

得られる知見

共有メモリを用いて全キャラクターを管理する上位の存在を必要としない、マルチエージェント協力システムの設計方法を学び、実践することで、プレイヤーの没入感を高めることができます。

セッションの内容

本セッションでは、キャラクター(エージェント)を管理する上位の存在(スーパーエンティティ)を用いない『マルチエージェント協力システム』を取り上げます。この手法を用いることによって、AIキャラクター同士の協力行為は、共有メモリを用いた上位の存在が全キャラクターの管理を行う古典的な協力システムよりも自然で信憑性の高いものとなります。キャラクターは自分が知っていることでしか計画を立てられず、その中で仮説を立て、他のエージェントと会話を行い、協力を得なければなりません。キャラクターは互いに実際のコミュニケーションをとる必要があるため、開発者はキャラクターの見かけ上の協力行為の表現を目的に、表面上の会話や行動を用意する必要がありません。この手法は、メッセージングシステムを備えたGoal Oriented Action Planning (GOAP)と呼ばれるプランニング技術に基づいています。実装例として、2つの異なる実験的プロジェクト、キャラクターインタラクションプロジェクトとRPGバトルプロジェクトを紹介させていただきます。

ボエダ ゴティエ

株式会社スクウェア・エニックス

AI部

AIエンジニア

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<講演者プロフィール>

コンピュータサイエンスの修士号を取得。"Vulcanus In Japan" プログラム(日本とヨーロッパの間のインターンシップ)の参加者に選ばれ、スクウェア・エニックスのAIエンジニアとして来日。その後正式に入社し、現在はキャラクターインタラクションについて、さらに研究に取り組んでいる。研究の成果を国内外で催される多数のカンファレンスや学術会議で発表(CEDEC、GDC、SIGGRAPH、SIGGRAPH ASIA、IEEE-COG、AIIDEなど)。

<受講者へのメッセージ>

日本語で発表しますので、みなさんぜひ来てください。質問も日本語で大丈夫です。
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