松永:
ゲームデザイン分野は、ゲームのユーザー体験やそれに伴うルール設計、データ設計から実際の運用など幅広く扱う分野です。シナリオやキャラクター設計などの文系的な領域から、レベルデザインやマネタイズモデルといった理系的な領域まで様々なテーマを担当しています。
この分野の最新の特徴は「遊び」が多様化していることです。グローバルを舞台にしたAAAタイトルとインディーゲームの二極化、VRやメタバースなどの現実拡張、そしてeスポーツやゲーム配信文化などによるプレイヤー関係性の変化などです。ジャンルごとにゲームファンを楽しませる手法は異なっており、幅広い知見が必要とされる状況だと言えるでしょう。
松永:
上記に挙げた分野の特徴の中でも、グローバルを舞台としたAAAタイトルとインディーゲームの開発手法は、特に求めているトピックとなります。
大規模開発により実現可能になってきたオープンワールドの設計ノウハウや、インディー制作の事例、グローバル展開を意識しての非言語でのナラティブ表現などです。これらは多様化するテーマの中でも、これから多くのゲームプランナーやクリエイターの方々が向き合う機会を持つと思います。
もちろん今は幅広く知見を求めたいというのが分野としての状況ですので、トピックにこだわらずぜひ様々なセッションをご応募頂きたいです。
松永:
この分野の知見は、定量化やマニュアル化が難しいものが多いです。
そのためご自身が勝ち得た経験と技術を、客観的に見つめ直せることが何よりの価値だと思います。
松永:
専門性の高い技術ほど、一見何が凄いのか分かりづらいものだと思います。
講演の実績や、取材記事がネット上に残ることで、それが自身にとっての使いやすい名刺となります。
新しいつながりを作ったり、キャリアアップをしていく上での役に立つのではと思います。
松永:
ゲームデザイン分野は、扱う内容が多岐にわたる上に、コンピュータ技術の発展が直接的には影響して見えづらい分野でもあります。例えば、PCの処理能力上昇によってビジュアル表現が劇的に変化したり、ネットワーク技術の発展により新しい通信手法が生まれることはありません。むしろ分野の原点であるゲームメカニクスは何千年も不変なまま使われている部分が多いとも言えます。
それゆえに自身の何気ないと思っていた経験が、じつは他の人にとって価値のある内容だということが多々あります。
若い方もベテランの方も、知識を伝えるというだけでなく、失敗談・成功談を含めたご自身の経験をお話しいただくだけでも分野自体の成長・拡大につながりますので、ぜひ積極的にご応募いただきたいです。