レイトレ時代のゲームグラフィックス、地に足をつけて備えよう - NVIDIA Falcor で次世代品質のリアルタイム物理ベース照明を手軽に素早く検証する -
* リアルタイム・グラフィックス初心者で、物理ベース照明を触って理解したい方
* 2025年 リアルタイム・レイトレ時代、2035年 リアルタイム・パストレ時代に備えたいエンジニアやアーティストの方
* リアルタイム物理ベース照明について、プロジェクトや技術検証の導入前にハマりどころや検討事項を知りたい方
* リアルタイム物理ベース照明のテストやデバッグについて具体的に何をすればよいか知りたい方
* NPR, Stylized 照明をやる前に物理ベース照明で土台を作っておきたい方
* 最新のリアルタイム大域照明手法について、触って把握したい、もしくは実装してみたいと考えている方
* リアルタイムグラフィックス描画の実験で、提案手法と既存手法を手軽に実装できる環境が知りたい方
* 実践可能なグラフィックス向けテスト駆動開発の環境とテストケースを探している方
* Maya Arnold を青写真とした場合に、リアルタイム物理ベース照明とマテリアルの実装方法
* アーティストによる、Maya Arnold とリアルタイム・パストレーシングを用いた照明の定量的な評価方法が具体的に触って確認できる
* アーティストによる、リアルタイム物理ベース照明の定量的な評価のためのテストシーン、テストアセットの作り方
* NVIDIA Falcor を活用したリアルタイム・グラフィックス向け機能を高速にプロトタイピングできる環境の作り方
* 青写真とリアルタイムの二画面で必要に応じてリアルタイムで照明することで、アーティストが素早く陰影や動きの差異が具体的に確認でき、目指す照明を関係者で具体的に共有できる方法がわかる
* ハイエンドPC からゲームコンソール Switch まで動作するスケーラビリティを考慮したマルチスケール・リアルタイム大域照明の実装と課題が具体的にわかる
* グラフィックス・テスト駆動開発において、Python と描画グラフを活用することで、描画機能ごとに独立並行して実装しながら、複数人での開発でクラッシュやデグレードが限りなくゼロに近づけられること
本セッションでは、NVIDIA Falcor とDXR を活用して、ゲームエンジンおよびゲームへの組込を目的とした次世代品質のリアルタイム照明検証環境を手軽に素早く構築する方法を説明します。検証環境で得た結果を、これからのゲームやゲームエンジンで動作実現できるように、物理ベース照明の実装検証だけでなく、ゲームグラフィックスの照明品質向上に大きく寄与するリアルタイム大域照明の実装と検証についても説明します。リアルタイム・レイトレとラスタライズのいいとこどりな最新の方法です。その他、ランタイム性能を出すためのLightmap や直接光のライト・ベイキングについても紹介します。
本環境は、アーティストやエンジニアが青写真(リファレンス) とリアルタイム(in-engine/in-game)の結果をL1/L2 誤差比較やどちらか一方を描画するだけでなく、二画面でリアルタイムに確認できるようにしました。そうすることで、アーティスト、エンジニアなど関係者が陰影や物体や照明の変化について差異が直感的に把握でき、関係者の間でその差異や要望を具体的に共有して目指す照明結果に素早く到達できました。青写真は、Maya Arnold レンダリング画像、本環境のリアルタイム・パストレーシング、アーティストによるレタッチ画像です。
具体的には下記9点について説明します。
1. NVIDIA Falcor 概要 - リアルタイム・グラフィックス高速プロトタイピング環境
2. NVIDIA Falcor 機能 - 青写真とリアルタイムの二画面で、よりわかりやすく差異を検出
3. NVIDIA Falcor 特長 - グラフィックス向けテスト駆動開発で、クラッシュやデグレード発生が限りなくゼロに漸近していく
4. BANDAI NAMCO Studios (BNS) リアルタイム照明の検証フロー
5. リアルタイム物理ベース照明の光源設計とSI単位系の導入
6. マテリアル Arnold Standard Surface 互換の実現
7. 物理ベース照明のための各種描画パスの設計と実装
8. ライト・ベイキング、最新のリアルタイム大域照明手法でスケーラビリティを確保し、リアルタイム照明の品質向上
9. リアルタイム物理ベース照明のデバッグとテストシーンの作り方
本発表で紹介する検証環境構築の知見は、2025年リアルタイム・レイトレ、2035年リアルタイム・パストレ時代の到来に備えて、ゲームの商品価値向上に寄与するだけでなく、ゲームグラフィックス制作フローそのものの効率化について良いアイデアの素になると思います。それから、リアルタイム照明のテストや青写真との比較方法を紹介しますので、これからリアルタイム・グラフィックスの照明を扱う初学者や開発者にも参考になると思います。