資料を資産へ、スクウェア・エニックスにおけるゲーム開発資料発掘プロジェクト [Wonder Project J編]
・社内の資産管理に興味がある方
・ゲーム開発史に興味がある方
・タイトルのプロデュースに興味がある方
・過去資産のライブラリ化についての知見
・ゲーム開発のプロデュース
スクウェア・エニックス社内で進められている過去資産のサルベージプロジェクト「SAVE」の活動と、そのサルベージ過程で得られた過去のタイトルの資料と、当時の開発関係者による現場の生の声を聞くセッションを行います。このようなセッションを行う目的は、過去の開発資料を現在の資産へと変えることです。おそらくはゲーム産業全体が抱える放置された過去タイトルの開発資料へと目を向け、それらを会社の資産と転じる契機として頂くことで、日本のゲーム開発の歴史が再認識され、日本のゲーム産業全体の潮流を取り戻す一助になりたいと考えております。
そこでスクウェア・エニックスでは、サルベージした資料を本セッションで公開するだけではなく、資料の関係者に話を伺うセッションとすることで、25年以上を経た資料が現在に対して持つ価値を示したいと考えています。前半は歴史・規模の大きなゲーム会社における過去資産管理の問題点への言及と、大量のアナログデータのライブラリ化手法についてお話します。
後半は具体例の一つとして、今回の活動の中で得られた「Wonder Project J」(1994)「Wonder Project J2」(1996)の詳細な開発資料とともに、当時の同タイトルのプロデューサーである藤本広貴から、SFC時代のゲーム業界についての話と、そのなかで「Wonder Project J」をどのように制作していったかについて話させていただきます。
このように本セッションでは、前半では過去資料をサルベージする意義とその方法について、後半ではその中の一つの具体的な資料にフォーカスを当てて、どのように現在の開発に生かしていけるかを解説いたします。過去のゲーム業界がどのようなものだったかという当事者の言葉と、現在から過去資料を見返したときにある新しい発見を提示することは、新旧問わず業界にとって非常に重要な知見となると考え、皆さんと共有したいと思います。