キャラクター経済圏とIPクリエーションの視点から望む、ニューノーマル時代におけるメディアミックスの新パラダイム
メディア産業についてのビジネスモデルに関する基礎的な理解
キャラクター経済圏、メディアミックス、トランスメディア・ストーリーテリング、IPクリエーションといった考え方に対する理解やそれらを踏まえたうえでのゲームビジネスの分析に対する視点の醸成
日本においては、メディア産業の勃興期から長きにわたり、メディアミックスと言う手法がとられ、各メディアでの展開におけるシナジー効果が図られてきた。さらに1978年における『スペースインベーダー』や1980年における『パックマン』そして、1983年におけるファミリーコンピュータの台頭と、ゲームの社会現象化が続く中で、これらメディアミックス戦略の中でゲームも重要な役割を占めるようになり、「ポケットモンスター」では、ゲーム発の知的財産(以下、IP)を中心としたメディアミックスがビジネスモデルとして確立している。その一方で、欧米メディア産業では、00年代前半からその巨大資本を活用し、ひとつのIPを同じ世界観で且つ整合性がある形で複数のメディアを跨いで物語を紡ぎながら、総体として「大きな物語」を展開するトランスメディア・ストーリーテリング(TMS)が行われるようになり、映画、ゲーム、アニメなどで語られる物語を統合化してその全貌を把握できるという物語体験が多くの観客を熱狂に誘っている。このような世界の潮流の中で、日本のゲーム企業は如何なる戦略をとるのが適切なのか?本セッションでは、「キャラクター経済圏」という概念を確立した中山淳雄氏と「IPのつくりかたひろげかた」でIPクリエーションについて持論を確立したイシイジロウ氏が、アカデミックな立場でトランスメディア・ストーリーテリングの研究を進めてき立命館大学映像学部教授の中村彰憲氏をモデレータとして迎え、日本のゲーム企業がこれからの時代にグローバルでメディアミックスを展開するうえでどのような戦略をとるべきかについて、それぞれの知見を示しつつディスカッションをおこなう。