インタビュー:ビジュアルアーツ分野

「ワークフローや技術面だけでなく、概念・コンセプトの部分、アート的な面に至るまで、それらのノウハウ・知見の共有が主な内容になります。」

ビジュアルアーツ分野 主担当
櫻井 慶子
──ビジュアルアーツ分野のご紹介をお願いします。
櫻井:ビジュアルアーツ分野はデジタルコンテンツの表現全般を広く捉え、コンピュータエンターテインメント全てにおいての新しい表現手法や制作フローを追求し、多様化していくターゲットに対応する手法を取り扱います。
対象はゲームだけでなく、アニメや映像、ストップモーションなど周辺領域からの公募も過去に実績があります。
──ゲーム以外の分野とも相互に良い影響がありそうですね。
この分野で扱うセッションの特徴はなんですか?
櫻井:他分野と比べて、扱う内容の自由度が高いと思います。
ワークフローや技術面だけでなく、概念・コンセプトの部分、アート的な面に至るまで、それらのノウハウ・知見の共有が主な内容になります。
ビジュアルアーツ担当ではない方でも観ていて楽しいセッションが多く行われる分野です。
──芸術的なトピックと技術的なトピックの両方が対象となっているんですね。
その中でも特に求めているトピックはありますか?
櫻井:目に見える部分の全般です。特にグラフィックス関連の話になります。
一方で、目に見えない部分ではアセット管理、マルチプラットフォーム向けの開発など柔軟な制作環境を整えるトピックスなども扱うことがあり、これらはエンジニアリング分野と多少重なる部分がありますが、ビジュアルアーツ担当者独自の視点での事例も広く募集しています。
──櫻井さんが注目している技術はありますか?
櫻井:幅広く対応できる柔軟性や拡張性のあるグラフィックス制作手法や、AI・ディープラーニングを活用したアセット管理に関心がある人が多いです。昨年のCEDECではまだ研究段階の企業が多かったためか応募数が少なかったのですが、今年は更に多くの応募を期待しています。
またPBRをベースとしたスタイライズドレンダリングに注目しています。リアルな画作りではなく、アーティストの作風をいかにPBR環境内で再現するか、そのあたりのノウハウに注目しています。
──櫻井さんが個人的に聞きたいトピックはありますか?
櫻井:精度の高いリアルなモデリングやモーションのリアルタイムキャプチャ等、マニュアルの部分を減らして自動化によるアセットを制作する技術についての話を聞きたいです。
また意外に思われるかもしれませんがCEDECは基礎的なデッサンの話など含め、純粋なアート寄りのセッションも歓迎しています。
──様々な視点からビジュアルアーツの知見を求めているということですね。
櫻井:はい、それと昨年はコンセプトアートのセッションの注目度が高く、今年もコンセプトアートのお話が聞ければと思います。
──ご自身のご経験や過去応募者からの反応で、応募のメリットはどう感じていますか?
櫻井:自分の考えや社内にあるノウハウを一旦整理できる、ということがメリットだと思います。資料作成などを通して改めて自分の考えを改めて知ることができ、それが世の中にどう受け止められるかを考えるいい機会になると思います。
──応募にチャレンジするだけでも大きなメリットがあるということですね。
それでは登壇のメリットはどう感じていますか?
櫻井:登壇することで様々なフィードバックを得ることができ、知見が増えます。そして色々な人と知り合うことができます。
私の場合、CEDECに登壇したことで知り合った方から数年前にお声がけいただき、今こうしてCEDECの運営委員に参加しています。登壇がきっかけとなり活動の幅が広がりました。
ほかにも登壇をきっかけに広がった人脈で新たなコミュニティ形成をした人もいます。
──最後に応募を考えている方へのメッセージをお願いします。
櫻井:ここ数年ではアート系やUI系のセッションも増えてきていますので、デザイナーの皆様もぜひ応募いただければと思います!
もちろん技術寄りのセッションも重要です。PBR、スタイライズドレンダリングは注目されているトピックですので、お話を聞きたい方も多いと思います。
自動化アセットや機械学習を活用した事例などはまだ公開する段階ではないと思う人もいると思いますが、もし知見をお持ちであればぜひ応募に挑戦してほしいです。
有効な活用方法について、是非業界全体で考えていけたらと考えています。
CEDECへの参加はとても良い経験になりますし、さらに人脈も広がります。今年はオンラインなので人見知りの方でも話しやすいかもしれません。
もっともっと気軽に応募していただければと思います!
──皆様からのご応募をお待ちしています。本日はありがとうございました。