インタビュー:プロダクション分野

「リモートにおけるチームマネージメントや、それに用いられるツールに注目しています。」

プロダクション分野 主担当
大井 勇樹
──ご担当分野のご紹介をお願いします。
大井:プロダクション分野はゲーム開発の開発工程や開発環境に関するトピックを扱います。
アジャイル開発などに代表されるソフトウェア開発手法から、ナレッジ共有、人材育成、チームビルディングといったマネージメント的な面、またQAやプロジェクト管理に使用されるツール、コンテンツ作成やテストなど各種工程の自動化といったエンジニアリング的な面についても扱います。
──開発工程や環境にかかわることを幅広く扱っているんですね。
この分野で扱うセッションの特徴はなんですか?
大井:開発するタイトルはもちろんのこと、企業やチームの文化、プロジェクトのミッションや、社会情勢によって状況が異なるため、「正解がなく、常に流動的」ということに尽きるかと思います。そのため各企業、各タイトルでの実例紹介によるノウハウの共有がとても重要です。
──多くの事例が集まれば、様々な環境にマッチするノウハウが得られますよね。
大井:その一方で、コンテンツ制作者がジョブチェンジでマネージメントに関わるケースが非常に多く、基礎的な理論も重要視されます。
──この分野で求めているトピックはなんですか?
大井:今年はリモートワークに関するトピックが多くなると思います。 プロダクションは性質上、働き方と大きく関わります。昨年は多くの方が開発工程を一から見直し、リモートを前提とした考え方への転換があったのではないでしょうか。
──世間がリモートワークを始めたころから結構時間が経ちましたよね。
大井:はい。昨年のCEDEC開催頃まではまだ計画・実験段階だったと思いますが、それから半年~1年経って得た成果をお話していただきたく思います。
──昨今、この分野で注目している技術はなんですか?
大井:リモートにおけるチームマネージメントや、それに用いられるツールに注目しています。
この1年間で得られたノウハウがたくさんあるはずで、同じ社内でも働き方に対する考え方の違いによる衝突が起きたりしたことはあったかと思います。そういう多様性をどう確保したかに注目しています。
──やはりリモートワークによる働き方の変化はここ1年の大きなトピックスですね。
他に関心のある技術はありますか?
大井:一昨年頃から引き続き、機械学習を用いたテストやコンテンツ作成手法に注目しています。
開発の効率化や、人間が行うものと変わらないほどに質の高いテストなど、今どのくらい進んでいるか注目しています。
──注目している技術を踏まえ、個人的にぜひ聞きたいトピックはありますか?
大井:汎用的なテスト自動化の仕組みや技術基盤の構築です。
テストの自動化は従来、特定のタイトルに対して専門的に構築されてきましたが、次のステップではタイトルを横断した仕組みや技術基盤の構築が必要になると思います。汎用化できる部分と専門的な最適化を行う部分がある中で、汎用化の部分に関するお話をぜひ聞きたいと思っています。
──ご自身のご経験や過去応募者からの反応で、応募のメリットはどう感じていますか?
大井:自分の手掛ける仕事を色々な方に聞いてもらえるという意識の面でのメリットが大きいです。
自分たちの業務がどういう形で他人に興味を持ってもらえるのか、体系的に意識して考えるいい機会になるのではないでしょうか。
──たしかに自分の仕事を振り返ってまとめる機会はあまりありませんよね。
それでは登壇のメリットはどう感じていますか?
大井:登壇することで周りに同じような立場や志の人が集まり、セッションからさらに一歩踏み込んだ内容の話をする仲間を得ることができました。
──最後に応募を考えている方へのメッセージをお願いします。
大井:今回お話しした「求めているトピック」などは、会社の規模や立場は関係なく同じコロナ禍の問題に直面した国内外の開発者が関心を寄せる内容だと思いますので、「我々はこういうことをやってきた」ということがある方はぜひ応募をお願いします。
──皆様からのご応募をお待ちしています。本日はありがとうございました。