弱いという希望、できないという可能性 ―〈弱いロボット〉の概念とその応用について


講演形式
レギュラーセッション
講演時間
08月22日(水) 16:30 〜 17:30
資料公開
予定あり
受講スキル

人とロボットとのインタラクションやコミュニケーション研究(Human-Robot Interaction)に関心のある方ならどなたでも。

得られる知見

人とロボットとのインタラクションデザイン

セッションの内容

よたよた、もじもじ、たどたど......。わたしたちの研究室(ICD-LAB)では、周りの人の手助けを上手に引き出しながら、ちゃっかり目的を果たしてしまうような関係論的な行為方略を備える〈弱いロボット〉の研究を進めています。本セッションでは、いくつかの研究事例を紹介しながら、〈弱いロボット〉の基本的な概念やその展開について考えます。

〈弱いロボット〉の事例:

https://www.icd.cs.tut.ac.jp/our-projects/

講演者プロフィール

岡田美智男

豊橋技術科学大学

情報・知能工学系

教授

<講演者プロフィール>

1987年 東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了。NTT基礎研究所 情報科学研究部、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)などを経て、2006年より豊橋技術科学大学 情報・知能工学系教授。主に、ソーシャルロボティクス、HRI(Human-Robot Interaction)研究の分野において、人との関わりのなかで、お互いの〈弱さ〉を補いつつ、その〈強み〉を引き出しあうような〈弱いロボット〉の研究を進めている。
近著に、『弱いロボット』(医学書院、2012)、『ロボットの悲しみ コミュニケーションをめぐる人とロボットの生態学』(共編著、新曜社、2014)、『〈弱いロボット〉の思考 わたし・身体・コミュニケーション』(講談社現代新書、2017)がある。

<受講者へのメッセージ>

自らはゴミを拾えないものの、子どもたちの手助けを上手に引き出しながら、結果としてゴミを拾い集めてしまう〈ゴミ箱ロボット〉、モジモジしながらチョコ菓子を配ろうとする〈もじもじくん〉、ときどき大切な言葉をもの忘れしつつ、子どもたちを会話のなかに引き込んでしまう〈タク・ボーン〉など、わたしたちの研究室(ICD-lab)で構築されてきた〈弱いロボット〉の事例を紹介しながら、人とのソーシャルな関係を生み出していくロボットや新たなメディアの姿を探ってみたいと思います。

豊橋技術科学大学 インタラクションデザイン研究室(ICD-LAB): https://www.icd.cs.tut.ac.jp/