足踏み運動支援用ゲーム『リハビリウム アシブミジョーズ』:ヘルスケアの現場におけるゲーム利用
講演形式
インタラクティブセッション
資料公開
予定あり
受講スキル

シリアスゲーム制作、開発、研究を行っている人、あるいは今後行う予定がある人。

ゲーム業界以外の分野、特にヘルスケア分野とのコラボレーションを模索している人。

大学等においてゲーム制作関連の研究、教育を行っている人。

得られる知見

ゲーム業界以外の組織(病院、介護施設、特別支援学級等)とのコラボレーション法

高齢者向けヘルスケアゲーム制作の実践例

発達障害児向けヘルスケアゲーム制作の実践例

病院、介護施設、特別支援学等におけるゲーム活用事例

セッションの内容

九州大学シリアスゲームプロジェクトでは2017年から運動生理学、視覚心理学の専門家と共同で足踏み運動を支援するゲームの研究開発を行ってきました。本セッションではプロトタイプとなる『リハビリウム アシブミジョーズ』のインタラクティブ展示を行います。ターゲットは高齢者および発達障害児です。セッションでは、それぞれの分野の研究者と共に実演を通してゲーム内容について解説し、ゲームデザインのプロセス、そして高齢者や発達障害児のヘルスケアの現場におけるゲームの有用性について議論を深めていきます。

講演者プロフィール

松隈 浩之

九州大学

大学院芸術工学研究院

准教授

<講演者プロフィール>

経歴:九州芸術工科大学画像設計学科卒業(1994年3月)、同大学院情報伝達専攻修了(1996年3月)修士(芸術工学)。凸版印刷株式会社
グラフィックアートラボラトリーGALA勤務(1997年4月)。九州芸術工科大学講師(2003年9月)、九州大学大学院芸術工学研究院准教授(現在に至る)。日本デジタルゲーム学会、日本デザイン学会、情報処理学会、アジアデジタルアートアンドデザイン学会会員。日本デジタルゲーム学会理事。アジアデジタルアート大賞展実行委員会事務局長。
専門:コンテンツデザイン、シリアスゲーム。病院や福祉施設と連携し、主に高齢者のためのリハビリ・ヘルスケアを目的としたシリアスゲームの研究開発に従事。

<受講者へのメッセージ>

九州大学シリアスゲームプロジェクトでは、2009年からリハビリ・ヘルスケア支援用ゲームの開発を行っております。これまでに起立訓練支援ゲーム『リハビリウム 起立くん』が販売され、その他にロコトレ支援ゲーム『ロコモでバラミンゴ』、半側空間無視訓練支援ゲーム『たたけ!バンバン職人』を開発してきました。そして現在、心理学・運動生理学の専門家と共同で、足踏み運動を支援するゲームの研究開発に取り組んでいます。映像が心理に与える影響とは何か?ゲームと運動・健康の良い関係等について、専門家の先生と共に協議し開発してきた『リハビリウム アシブミジョーズ』をブース展示致します。

2010年から継続して行っているリハビリ、ヘルスケアを目的としたシリアスゲームの研究開発ですが、
医療機関をはじめ、他のエンターテイメント以外の分野との密なコラボレーションをしながら現場のニーズや制作ノウハウを蓄積しています。
リハビリ支援用ゲームなどの非言語、直感的なゲームは国を超えて幅広く利用がしやすいため、
グローバルな市場で展開が期待できる分野です。ぜひお立ち寄りください。
村木 里志

九州大学

大学院芸術工学研究院

教授

<講演者プロフィール>

広島大学大学院生物圏科学研究科博士課程後期修了(博士(学術))。長崎県立女子短期大学体育科、県立長崎シーボルト大学看護栄養学部栄養健康学科を経て、現在、九州大学大学院芸術工学研究院デザイン人間科学部門生理人類学講座教授。専門は福祉人間工学。認定人間工学専門家。日本生理人類学会誌編集委員長。

<受講者へのメッセージ>

足踏みは場所を取らず安全で簡単にでき、体力増進や介護予防にとても有用な運動です。しかし単調なところが欠点。それを解決したのが『リハビリウム アシブミジョーズ』。足踏みが楽しんで行えます。
妹尾武治

九州大学

大学院芸術工学研究院

准教授

<講演者プロフィール>

妹尾武治 (セノオタケハル)。九州大学大学院芸術工学研究院准教授。東京大学大学院人文社会系研究科 (心理学研究室) 修了。心理学博士。オーストラリア、ウーロンゴン大学客員研究員などを経て、現職。専門は知覚心理学で、心理学全般についてこれまでに研究及び授業をしてきた。現在、自分が乗っている電車が止まっているのにもかかわらず、反対方向の電車が動き出すと自分も動いているように感じる現象 (ベクション) を主な研究テーマとしている。プロレスマニア。近著、『脳がシビれる心理学』(実業之日本社)『おどろきの心理学』(光文社新書)『なぜ脳はだまされるのか』(ちくま新書)『使ってはいけないエセ心理学、使ってもいい心理学』(PHP研究所)で、新しい境地を開拓した、異端の心理学者である。

<受講者へのメッセージ>

さて、今回私の担当は、ゲーム中に感じる自己移動感について、でした。どうすれば、より移動感覚が得られるか?どうすれば、没入感が高まり、ゲーム性が上がり、人間を興奮させることが出来るのか?こういった心理量、主観量の測定を担当しました。視覚によって得られる、錯覚的な移動感のことを我々の専門用語で、ベクション、と呼びます。私は、このベクションの専門家です。ベクションを強くする工夫、方法を沢山知っています。今回、ゲーム性を下げずに、ベクションを効果的に上げることに取り組ませて頂きました。是非、ゲームを体験して頂き、このベクションを感じてもらいたいです。