- TCP/IP, UDP/IPの基礎知識
- NAPT挙動に関する基礎知識(RFC4787等)
- 家庭用ルータ・モバイルルータに関する基礎知識
- ブロードバンド・モバイルブロードバンド通信回線に関する基礎知識
- IPv4/IPv6デュアルスタックでP2P通信を行うゲームクライアント環境からみた、現在の国内+海外ネットワーク環境の遅延・接続性状況
- ここ数年の現場で遭遇した遅延・接続性に纏わる実際のトラブル事例とその対処方法
- RaspberryPiで構築されたカジュアルなWANエミュレータ活用による、ネットワークデバッグ手法とその有用性
セッションの内容
「IPv4枯渇による、共存技術の導入・IPv6普及」「モバイルブロードバンドの発展と普及」を始め、ここ数年でゲームクライアントを取り巻く環境は大きく変わった。
IPv4/IPv6デュアルスタックでP2P通信することや、4G/LTE回線でも40-60msec程度のRTTを期待した通信が可能になるという、ポジティブな現実の一方で、いたるところで想定外の遅延や、接続性の低下に遭遇したりとネガティブな現実も多々存在する。
そんな急速な現実の変化の中、インターネットの調査・統計情報で一般的なレポートはあれど、ゲームプレイ環境に特化したものは殆どないため、「一般的な話はこうだけど、ゲームプレイ環境も同様に考えて大丈夫かどうか?」という疑念に囚われながら、ネットワークの実装やデバッグをしてる人は少なくないだろう。
このセッションでは、IPv4/IPv6デュアルスタックなP2P通信のログ解析から得られた、ゲームクライアントにおける接続性・遅延傾向の統計情報を読み解きつつ、上記通信をサポートしてきた中で遭遇した問題や、対応してきた事象について解説を行う。また、多様な遅延環境に対応すべく独自開発し、社内展開しているWANエミュレーターについて、実機を用いたネットワークデバッグ手法のデモを交えつつ、解説する。