最優秀賞 エンジニアリング部門

大規模プロジェクトにおける開発環境のあり方を提示

「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」開発チーム(任天堂株式会社)

©2017 Nintendo

受賞理由

ゼルダエディタにタスク管理機能を集約することで、大規模プロジェクトの運営を開発環境から下支えした事例を公開した。その取り組みを評価。

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最優秀賞 ビジュアルアーツ部門

ゲームとフラットデザインの融合による革新的なUIデザイン

「NieR:Automata」 UIデザインチーム(プロデュース:株式会社スクウェア・エニックス、開発:プラチナゲームズ株式会社)

受賞理由

ベースにフラットデザインを用い、アニメーションや実在感にこだわりながら無機質な世界観の補強に成功し、より没入感を感じさせるUIデザインを設計した点を評価。細部まで計算されたデザインにより、ゲーム内のUIデザインの可能性を広げた。

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最優秀賞 ゲームデザイン部門

プレイヤーの協調を促すメカニクスデザイン

「スプラトゥーン2」開発チーム(任天堂株式会社)

©2017 Nintendo

受賞理由

相手に依存しない塗るという行為で勝敗が決まる、という決定的なゲームデザインはそのままに、今作ではオンライン対戦モードでの必要資源をCoopモードで稼がせることで、さらにライトユーザーへオンラインTPSを押し拡げるデザインを実現した。またアップデートで異なるルールやステージを追加しつつも、武器のバランスを大きく崩壊させないデザイン力もまた評価すべきものである。

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最優秀賞 サウンド部門

独特な世界観をオシャレにまとめた楽曲とサウンドデザイン

「ペルソナ5」サウンドチーム(株式会社アトラス)

受賞理由

独自の世界観をオシャレに彩る楽曲は個性的で耳に残るだけでなく、サウンドデザイン全体で随所にこだわりが見える点を評価。


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特別賞

鈴木 裕氏

鈴木 裕氏

受賞理由

鈴木氏はクリエイターとして、アーケードゲームにおいては「ハングオン」「アフターバーナー」等の体感ゲームをはじめ、3DCGハードウェアによる対戦格闘ゲーム「バーチャファイター」を開発するなど、革新的なアイデアで大ヒット作を数多く生み出してきた。
さらに家庭用ゲームにおいては、「シェンムー」でオープンワールドの先駆けとも言えるスタイルのゲーム制作に取り組み、ゲーム開発における技術革新に多大な影響を与えてきた。
そのキャリアを通じてパイオニアとしてゲームの新たな可能性を切り開いてきた氏の功績は世界的にも高い評価を受けている。

プロフィール

1958年6月、岩手県釜石市生まれ、三陸町(現大船渡市)出身。
岡山理科大学理学部電子理学科卒業。1983年にセガに入社。
1980年代中盤から1990年代にかけてセガを代表するアーケードゲームのヒット作を多数制作した日本を代表するゲームディレクター・プロデューサーで、同社のR&Dクリエイティブオフィサーの一人だった。
代表作は、『ハングオン』『スペースハリアー』『アウトラン』『バーチャファイター』『シェンムー』など社会現象となった作品が多数。
1998年 「1998コンピューターワールド・スミソニアン・アワード」(アメリカ・スミソニアン協会)日本ゲーム業界初の「情報・技術イノベーション 常設研究コレクション」に認定される。
1998年イノベーションコレクション」として関係映像と資料が、国立アメリカ歴史的博物館に永久保存される。
2003年AIAS主催サミットにて「Hall of Fame」(栄誉賞)受賞。
2008年11月株式会社YS NETの代表取締役に就任。
2011年3月GDCパイオニア賞を受賞。
2015年6月「シェンムーIII」(PC/PlayStation 4)の制作を発表

著述賞

ゲーム情報学概論 -ゲームを切り拓く人工知能-

 (発行:コロナ社)

コロナ社

受賞理由

この本を読むと、コンピュータゲームとAIの関係は深く、AIがゲームシステムの根幹であることを再認識させられる。
ゲーム作りをやさしく解説している本が多い中、本書で書かれている内容は決して簡単ではないが、何度も繰り返して読む、引用されている資料にあたる、数式やプログラムを手を動かして確認することで知識として身につけることができる。
また、曖昧になりがちなゲームデザインに対しても、構成する重要な要素を技術的な視点から丁寧に解説しており、エンジニアだけではなく、ゲームデザイナーにも是非手にとってもらいたい。ゲームクリエイターにとっては必読の一冊である。

伊藤 毅志氏

伊藤 毅志氏

電気通信大学・情報理工学研究科(人工知能先端研究センター) ・助教

保木 邦仁氏

保木 邦仁氏

電気通信大学・情報理工学研究科・准教授

三宅 陽一郎氏

三宅 陽一郎氏

株式会社スクウェア・エニックス テクノロジー推進部 リードAIリサーチャー

※著述賞における運営委員会内規として、運営委員が主な著者となる書籍に関しては対象外としております。 今回、共著のお一人である三宅氏においては、CEDECアドバイザリーとして貢献いただいておりますが、 直接的に運営、審査、選考プロセスに関わってない事から、本書を選考対象とし最終的に運営委員会で検討、贈賞といたしました。