基調講演
【主催者挨拶】/【基調講演】「グランツーリスモ」の25年・その背景と哲学
講演形式
基調講演
講演時間
08月23日(火) 09:45
〜 11:05
講演ルーム
第1会場
受講スキル
得られる知見
セッションの内容
【主催者挨拶】
CESA 技術委員会委員長 宮河 恭夫よりご挨拶いたします。
【基調講演】
「世界の森羅万象を量子化し、計算可能な存在にする」
25年前に株式会社ポリフォニー・デジタルを設立する際のテーゼは、そういうもので、それは今でも変わっていません。
ビデオゲームは、それ自体、表現の一様式であり、アートでもあります。
強調したいのは、ビデオゲームが、その出発点から、他の表現に対して突出して有利なことのひとつが、ある入力に対して、ある出力を返す「系」であることです。
コンピュータのハードウェアの発展スピードと、その物理的な計算パワーの上限による、
ときどきの制約はあるだろう。
でも、原理的には「世界そのものさえ」いずれ、作ることができるのではないか。
これは、いま、ご活躍中の多くのビデオゲームクリエーターが抱いた、最初の夢だったのではないでしょうか。
個人で扱えるようなコンピュータの普及と文化が勃興したのは、およそ40年前のことですが、当時、その可能性に触れた多くの若者がビデオゲームの未来に託した夢とは、そういう夢ではなかったか。
自然が見せる、さまざまな表情、予測不可能なふるまい、それらを固唾を飲んで、目を見張って見つめていた子供の頃を思い出してください。
世界はいつだって、不思議に満ちているし、それ自体が素敵なものです。
それをコンピュータで扱うことができたら、どれだけ素敵だろう。
このセッションでは、「グランツーリスモ」が制作されるに至った経緯と背景、その後の
展開、ポリフォニー・デジタルという会社のエートス、そして、未来への展望を語りながら、本来、ぼくたちは、どこを目指していたのか、を改めて問い直します。