レギュラーセッション

ゲームとミュージアム のオモテウラ〜ゲーム資料をどう扱う?〜

講演形式
レギュラーセッション
講演時間
08月25日(木) 13:30 〜 14:30
講演ルーム
第9会場
受講スキル

ゲーム展示やアーカイブに興味がある方。普段とは違う視点からゲームについて考えてみたい方。CSR活動をされている方。

得られる知見

学術的な視点からのゲーム展示。プロモーションを主目的とした展示にアカデミック視点を取り入れて付加価値を生む方法。企業が開発資料等を残すメリットや利活用の事例。

セッションの内容

 1962年に世界初のシューティングゲーム「Spacewar!」が生まれてから60年となり、いまやコンピュータゲームは博物館での収集展示対象となりました。また、各ゲーム会社が自社の資料を保存する動きも出てきており、ゲーム産業と博物館、更にはそれらをとりまく社会全体にも変化が予想されます。一方、ゲーム資料の利活用方法については、まだ手探りの部分も多い段階です。

 本セッションでは、国内にてゲーム展示自体をメタ的に展示した「ゲーム展TEN」、ゲーム開発資料の重要性を提示した「ギャラクシアン→ギャラガ→ギャプラス-ナムコ開発関連資料からみるアーケードゲームの製作過程-」、ゲーム音楽をテーマにゲームアーカイブの課題を検証した「Ludo-Musica / Ludo-Musica II」、「三国志」をテーマにゲーム・マンガ・アニメ分野や地域との連携を図った展覧会「『三国志』水魚之交」等を開催した知見、そして文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品に選出された「福島GameJam」での出展経験から得られた知見を共有します。

 これらの実践事例を基に、プロダクトとしてだけでなく公共性(CSR)も含めた多様な見地から、ゲームと展示・資料の利活用について俯瞰します。

小出 治都子

大阪樟蔭女子大学

学芸学部化粧ファッション学科

講師

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<講演者プロフィール>

大阪樟蔭女子大学学芸学部化粧ファッション学科講師。京都産業大学ギャラリーでの学芸員を経て現職。「曖昧な『乙女』たち-乙女ゲームにおける両義性-」(『ユリイカ』9月号/2020年)などを執筆。また、「ギャラクシアン→ギャラガ→ギャプラス-ナムコ開発関連資料からみるアーケードゲームの製作過程-」(2019)、「『三国志』水魚之交」(2022)などゲームに関する展覧会を企画、開催している。

<受講者へのメッセージ>

過去のゲーム資料を扱っている方や、ゲーム展示に興味をお持ちの方はぜひご参加ください。
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尾鼻 崇

大阪国際工科専門職大学

工科学部デジタルエンタテインメント学科

准教授

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<講演者プロフィール>

博士(学術)。映像音楽研究者、音楽作家、キュレーター、展示プランナー。日本学術振興会特別研究員、立命館大学衣笠総合研究機構ポストドクトラルフェロー、中部大学人文学部コミュニケーション学科准教授を経て現職。立命館大学ゲーム研究センター客員協力研究員を兼務。文化庁メディア芸術連携基盤等整備推進事業においてゲームアーカイブ利活用推進に係る諸事業のコーディネートに従事。
著作・分担執筆に『映画音楽からゲームオーディオへ』、『デジタル・ヒューマニティーズ研究とWeb技術』、『文化情報学事典』など。ゲームアーカイブ利活用の一環としてゲーム音楽展「Ludo-Musica」のディレクター、キュレーターを担当。

<受講者へのメッセージ>

資料の保存と活用は表裏一体です。ゲーム資料をなぜ保存するのか、なにをどのように扱うのか。その問題を考える機会になればと願っています。
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應矢 泰紀

京都国際マンガミュージアム

学芸室

学芸室員

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<講演者プロフィール>

1974年生。大阪府出身。京都精華大学大学院修了。アニメを中心にマンガ、ゲーム、特撮などのメディアにおける表現手法やキャラクター研究を行っている。京都国際マンガミュージアムではこれらにちなんだ展覧会を企画・運営をしているが、自身もマンガの原作やアニメーション、ビデオアートの制作もしている。妖怪愛好家。担当した展覧会に「姫川明原画展‐マンガ「ゼルダの伝説」をふりかえる‐」(2021)、「イラストレーター・賀茂川-イロドラレルモノタチ-展」(2019)、「仮面ライダー アートギャラリー展―萬画家・石ノ森章太郎からのメッセージ」(2011)著書に「マンガ京・妖怪絵巻」(2021)「アラマタヒロシの日本全国妖怪マップ」(2021)がある。

<受講者へのメッセージ>

ゲーム作品の展示を様々な視点で可能性を探ります。ぜひ興味のある方にご覧いただきたいです。
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中林 寿文

NPO法人IGDA日本 / サイバーズ株式会社

副理事長 / 代表取締役社長

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<講演者プロフィール>

1999年サイバーズ(株)を創業し代表取締役。コミュニケーション・コラボレーション・エデュケーションのR&Dを核に、ゲーム・エンタメ系の開発、技術・組織の支援。関連会社(株)5次元 取締役CTOの他、(株)セガ札幌スタジオ 社外取締役、NPO法人IGDA日本 副理事長を兼務。専門学校の講師や外部委員として人材育成にも携わる。
「福島GameJam」(FGJ)では事務局を務め、FGJについてCEDECやGDCなどで講演。FGJは第17回文化庁メディア芸術祭 エンターテインメント部門 審査委員会推薦作品に選出。
「『三国志』水魚之交」展で実行委員になったのを機に、学芸員資格取得のため勉強中。
寄稿「ゲームクリエイターが知るべき97のこと 2」(オライリー・ジャパン)、博物館紹介連載他

<受講者へのメッセージ>

一見無関係そうで実は親和性が高いゲームとミュージアムの関係性について、このセッションで!
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