パネルディスカッション

企業から研究結果を世界に発表する意義

講演形式
パネルディスカッション
講演時間
08月23日(火) 13:30 〜 14:30
講演ルーム
第1会場
受講スキル

特にアカデミックなバックグランドがなくても問題ございません。ゲーム産業における研究の意義や効果について知りたいと願われる方であれば、どなたでも有意義な知見を得らえるかと思います。

得られる知見

世界の技術カンファレンスで発表する方法、意義、効果

論文として世に出す方法、意義、効果

それぞれの論文誌における方針の違い

カンファレンスごとの習慣や文化の違い

開発した技術や研究の見せ方のコツ

セッションの内容

企業における技術研究は将来への投資を含めて、重要な意味を持ちます。何年にもわたり独自の研究を行ってきた内容を、いよいよ世界に向けて発表したい、というタイミングが必ず訪れます。しかし、どのカンファレンスに申し込むべきか、どのジャーナルに投稿すべきか、沢山の選択肢があります。また、その効果についても、先んじて知っておくことは、企業内での研究活動を円滑に進める上で必要な情報です。そこで、2021-2022を通じて世界的な技術カンファレンスや誌上で発表を行ってきた開発者達が、それぞれの知見と経験を皆様と共有したします。

・いつ、どのような国際会議や産業カンファレンスがあるのか?

・どのような論文投稿先があるか?

・言葉の問題や応募の手続きは?

・資料の準備や必要な料金の問題は?

・研究内容の法務的な権利確認

などの基本的な情報をご紹介します。論文を出して発表するメインセッションは確かに準備がたいへんなイメージがありますが、近年の学会では企業向けセッションなど、さまざまな発表の形が準備されており、その中から選択することができます。近年、学会が変化して来た状況をご紹介いたします。

 また、論文・カンファレンスで発表することによるメリットは多種多様あります。たとえば、以下のようなものです。

 ・発表・論文にすることによる開発・研究成果の構造化・可視化

 ・論文発表することによる技術力のアピール

 ・短期的・長期的なブランディング効果

 ・開発者のモチベーションの向上

 ・良い人材を集めるリクルーティングの旗印

これらは実際に発表することで実感できたものです。発表経験者が直接ご説明することで、産業における研究の意義と効果についての知見を共有いたします。

ボエダ ゴティエ

株式会社スクウェア・エニックス

AI部

AIエンジニア

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<講演者プロフィール>

コンピュータサイエンスの修士号を取得。"Vulcanus In Japan" プログラム(日本とヨーロッパの間のインターンシップ)の参加者に選ばれ、スクウェア・エニックスのAIエンジニアとして来日。その後正式に入社し、現在はキャラクターインタラクションとVRについて、さらに研究に取り組んでいる。研究の成果を国内外で催される多数のカンファレンスや学術会議で発表(CEDEC、GDC、SIGGRAPH、SIGGRAPH ASIA、IEEE-COG、AIIDEなど)。

<受講者へのメッセージ>

日本語で発表しますので、みなさんぜひ来てください。質問も日本語で大丈夫です。
国内外のカンファレンスや学術会議で発表した経験を共有する予定です。この知識が皆さんのお役に立ち、あるいは将来カンファレンスや学術会議で発表する刺激になれば幸いです。
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妹尾 卓磨

株式会社ソニーAI

Tokyo Laboratory

AI Engineer

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<講演者プロフィール>

慶應義塾大学大学院修士修了後、現在は同大学院で博士課程を履修しながらソニーAI株式会社で強化学習に関する研究開発に従事。博士課程在学中にIPA未踏人材発掘・育成事業に採択され、オフライン強化学習のソフトウェアを開発してスーパークリエータに認定。ソニーAIではグランツーリスモSPORTにおいてトップレベルのプレイヤーと互角にレースができるAIの研究開発に携わり、研究成果は学術誌Natureに掲載された。

<受講者へのメッセージ>

AIの研究においてゲームが持つ可能性は計り知れなく、ソニーAIが開発したGran Turismo Sophyのような大きな技術的な飛躍の機会をもたらしてくれると考えています。AI研究者の立場からゲーム開発者の方たちに新しい知見を共有できれば幸いです。
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三上 浩司

東京工科大学

メディア学部

教授

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<講演者プロフィール>

1995年慶應義塾大学環境情報学部卒.日商岩井株式会社にて,オンラインゲームサービス「XBAND」,3Dメタバースサービス「Worlds Chat」などの新規事業立ち上げに従事.1997年に株式会社エムケイにてプロデューサとして,PCゲーム(未発表)の開発を担当.1998年にJCGLの創設者である金子満氏とともに東京工科大学に「クリエイティブ・ラボ」を設立.博士(政策・メディア,2008慶応義塾大学)
主な著書
「ディジタル映像表現」,「アニメ学」,「コンテンツクリエーション」,「CGとゲームの技術」ほか多数
過去のCEDEC講演
「Mindset(簡易脳波計)を活用したプレイ分析とレベルデザインへの応用の可能性」,「ペラコン表彰式」,「これが博士の活きる道」ほか

<受講者へのメッセージ>

研究成果の発表は,大学や研究所の研究者にとって「Paper or Die」や「Demo or Die」と呼ばれるほど重要な活動です.その中でも英語で執筆し国際論文誌や海外の学会や技術カンファレンスで発表することは,世界の多くの人たちに広めるうえで重要です.
昨今では,ゲーム開発会社でも研究部門が設置されたり,自社の作品の品質向上のために,ゲーム開発のみならず他の分野でも応用可能な研究成果も創成されています.そのような成果を作品に利用するだけでなく,研究発表として,世界に向けて発信していく意義をぜひ感じ取っていただければと思います.
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共同研究・開発者

坂田 新平 Shinpei Sakata (株式会社スクウェア・エニックス AI部)