レギュラーセッション

楽曲乗換案内 -楽曲解析とDJ手法を援用した新しいBGM切り替え方法への挑戦-

講演形式
レギュラーセッション
講演時間
08月23日(火) 11:20 〜 12:20
講演ルーム
第3会場
受講スキル

・デジタル信号処理に興味のあるプログラマー

・新しい楽曲解析やDJに興味のあるサウンド製作者やその他の方々

・効果的なBGMの切り替えなどに興味があり、ゲーム内における音楽の演出や企画を模索しているすべての方々

得られる知見

・任意の2つの楽曲を、実時間で違和感なくつなぐ様々な手法の概要

・上記の手法を実現するために要求される、様々な実時間波形処理技術の概要

・実時間波形処理技術を利用することによる利点と欠点、さらに処理特性による技術的限界に関する知見

・従来のConstant-Q変換を応用した、2つの和音解析手法に関する知見

・上記の技術をゲーム音楽に応用する手法とその限界

セッションの内容

・任意の2曲のBGMを違和感なくつなぐというのは、ゲーム音楽のみならず、様々な音楽利用形態における課題の1つである。

・そこで、巷のDJ演奏者が活用している『比較的BPM値が近い2曲を』『違和感なくつなぐ』、手法を導入してみた。

・曲の接続方法として、ピッチシフトとタイムストレッチの手法を複数法実装した。

・また楽曲の似た地点を検出するために、和音解析を援用し、似た和音が出現した時点で切り替えるようにした。

・現時点ではまだ、比較的BPM値が近い2曲を、ある定まった地点で切り替える手法にとどまっている。

・さらに楽曲遷移自体も、FFT/TD-PSOLA/Constant-Q変換を用いた和音解析の技術的な限界もあり、100%違和感なくつながるという状態ではない。

・今回新たに開発した、逆変換も可能なConstant-Q変換を用いて、さらに自然な楽曲遷移ができるよう、研究を進めて行きたい。

増野 宏之

株式会社CRI・ミドルウェア

事業開発室

室長

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<講演者プロフィール>

・大学在学中の1986年から複数のゲーム制作会社を経て、2013年4月よりCRI・ミドルウェアに勤務。
・過去の会社を含め、作曲、プログラム、マネージャー、ディレクター、技術営業、海外渉外、契約実務、販社業務など、あらゆる業務を経験。
・CEDEC AWARDS 2012で、自身のリアルタイムBPM解析手法が優秀賞を受賞。
・BPM解析研究の集大成である超高速・高精度・楽曲解析ミドルウェア「BEATWIZ」を2015年9月に発表。
・現在も、毎月新しい機能を実装し、アプリを更新中。
・楽曲解析とグローバル変数と、何より酒が大好きな57歳のオヤジ開発者。

<受講者へのメッセージ>

ゲームの進行に応じて音楽を動的に切り替えることは、ゲームの臨場感や没入感を高める上で、極めて重要な演出手法です。
従来は、ステムの抜き差し、フレーズの切り替えを行って、音楽のインタラクティブ性を実現していました。
今回、一昨年・昨年のCEDECでご紹介した、Constant-Q変換を用いた、楽曲解析の結果も援用しつつ、
さらに、ピッチシフトとタイムストレッチを活用した、DJ的なスムーズな音楽切り替え手法をご紹介します。
この方法が一般的になれば、ゲーム音楽の作曲における様々な制約が少なくなり、より自由な楽曲制作が可能になります。
今年のCEDECもオンライン開催ですので、是非お気軽にご参加いただければ。
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