CEDEC運営委員会インタビュー

CEDEC 2018 ビジネス&プロデュース分野インタビュー
~枠におさまらないエンタメ知見共有を

2018年8月22日から24日の3日間、パシフィコ横浜で開催される「 CEDEC 2018(コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2018)」。現在、セッション講演者を4月1日まで募集中だ。

本稿では、ビジネス&プロデュース分野でのトレンドと公募で求めるトピックなどを、運営委員会で主担当を務める徳留和人氏に伺った。


――まずは自己紹介をお願いします。

徳留氏 :札幌にあるスマイルブームという会社で取締役をしています。CEDEC2013からビジネス&プロデュース分野のセッション主担当をしています。

徳留 和人

――ビジネス&プロデュース分野で扱っている内容を教えてください。

徳留氏 :エンターテインメントを語る上で、技術の分野だけでは収まらない話がたくさんあります。ゲーム開発業界では人が動いている以上、それを監修したり指導したりといった役割も必要になります。その中でもビジネス&プロデュースの分野では主に、コンピュータエンターテインメント業界におけるビジネスと、ゲームの市場を作っていく上で人を指導していく部分の話であるプロデュースについて取り扱っている分野です。非常に定義が広いため、大まかに言ってしまえば、他の分野に定義できない話が、ビジネス&プロデュースの担当と言ってもいいですね。

――今年注目しているトピックや、今年多そうなお話はありますか?

徳留氏 :今ホットなトピックとなると、ブロックチェーン技術を用いたコンテンツ管理や、アカウント保護などですね。そしてそれらを「なぜやらないといけないのか」「それを使うとどういったことができるか」といった話や、具体的にそれらを活用するための技術、実際に使用した例などの話に注目しています。

そして、業界全体での"働き方"です。企業として働き方を改善するためにどういった取り組みをしているか、あるいは業界の一員として、個人として、どのような改善をしているか、という話もプロデュースの分野に絡めてお話してほしいです。

更に、業界内外で話題が広がる eスポーツに関して注目しています。eスポーツでは、プレイヤー同士によって形成されたコミュニティや、ビジネスの側面もあるので、業界としてしっかりとアプローチしていく必要があると考えています。eスポーツに限った話ではないですが、ユーザーを巻き込んだコミュニティ形成をどのように実現するのか、市場におけるユーザーの立場をどう捉えていくか、制作者サイドとプロゲーマー両サイドの意見交換など、今後より良い環境構築と相互発展につながる話を求めています。

徳留 和人

もうひとつ、最近かなり話題になっていますが、バーチャルユーチューバーですね!特にその演出の部分です。ゲームの演出と同じように、ユーザーに対してどう見せているか、実際にどのような工夫をしているか、などといったノウハウや技術を、実際にバーチャルユーチューバーを作っている方々にぜひともお話してもらいたいと思っています。

以上がメインではありますが、加えて、日本の市場だけでなく、海外へ向けても波及していくようなビジネスの成功事例など、明るい話が多ければと思っています。どれだけ儲かったかという話だけでなくても、例えば海外で賞を取った話などや、活躍した話などもぜひとも聞かせてください。

CEDEC 2018 ビジネス&プロデュース分野で求めているトピック

――応募を考えている方へ、気をつけてほしい点はありますか?

徳留氏 :まず、あなたが「当たり前だ」と思っていることは、他の人にとってはそうではない...!ということを伝えたいです。

CEDECの講演では専門的なことに関する話が多いと思うのですが、応募する際にその業界や分野では当たり前される知識を持っていることを前提として書かれてしまうと、私達はその分野に対して詳しく知らないことがあり、正確に理解することができない場合があります。それで選考が難しくなってしまうのは双方に勿体ないと思います。

なるべく詳しく、最低限は私達が知っておくべき情報や資料を入れていただければ幸いです。参考文献のリンクなどがあれば、私達もきちんとその情報を確認しますので、より正確な判断をする助けになると思います。その上で、聴講者さんに対してどのようなメリットがあるのか、ということを主張して頂けるとなお良いです。

――最後に、応募を考えている方へメッセージをお願いします。

徳留氏 :応募する分野に該当する分野が無かったら、ビジネス&プロデュースに応募して下されば、我々の方でなるべく応募の内容を噛み砕いて判断させてもらいますし、もし分野が違えば適切な分野へ振り分けます。

先ほどいくつかトピックを挙げましたが、それに当てはまっていなくても、業界に対してどれだけ有意義なフィードバックができる内容であるか、またその講演によって業界がより良くなるかといった観点で私達は公募を見ております。今年も是非ともどんどん応募してくれればいいなと思います。

――ありがとうございました。

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