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新たなコンピュータエンターテインメント創造に挑む開発者たちの感性を触発するCEDEC。注目の基調講演、各界のキーバーソンが示唆する"エンターテインメント拡大"の方向性


今年も、様々な学問分野で活躍する研究者、エンターテインメント分野で活躍するアーティスト、ゲーム業界から注目のビジネスモデルでヒットを連発するプロデューサーといった、エンターテインメント界に大きな影響を及ぼす3人のキーパージンが登壇する。"エンターテインメント拡大"の方向性を指し示し、よりマクロな観点から開発者たちをインスパイアする提言に多くの期待が集まる。


1999年の第1回開催以来、本年で17回目と芯るCEDEC。国内外の家庭用ゲーム、スマー卜フォン・ゲームに代表されるコンピュータエンターテインメントの開発者達が参加し、開発の事例報告や、応用や転用が期待されるさまざまな技術が、技術者・研究者自らの講演や展示によって紹介される、圏内最大のカンファレンスイベン卜だ。時代の変化に合わせ、開発、運営、またコンテンツそのものを新しいレベルに到達させようとの狙いで掲げた「ReachNext Level」のテーマのもと、実施される200を超えるセッションが受講者たちの開発意欲を一層刺激する。

そして、毎回注目され、満席となるほどの盛況ぶりを見せるのが、2006年から行われている基調講演だ。当初は、技術/製品開発、企業経営、マーケット創造などでゲーム業界をリードするキーパーソンが次の時代を切り開く戦略と展望について語ってきた。2009年からは、様々な学問分野で活躍する研究者、エンターテインメン卜分野で活躍するアーテイスト芯ど各界の有識者、そして、その時々で最も注目されるゲーム業界人が語ってきた。

それまでの、ゲーム業界をけん引するキーパーソンから、ゲーム開発とは一見距離のある講演者の招聘には、ゲーム開発者たちの新たな知見を広げ、モチベーションを刺激したいというCEDEC運嘗委員会の狙いがある。

これまでの、作家、工業デザイナ一、デジタルアーテイス卜、ロボッ卜学者、宇宙航空技術研究者、アニメーション監督など、実に多彩な講演者の顔ぶれがそれを物語っている。

そして、CEDEC 2015 では、メディアデザインの権威、気鋭のMediaArtist、ゲームを起点としたクロスメディアを展開するプロデユーサーといった、各界の今後に大きな影響を及ぼす3人のキーパーソンが登壇する。それぞれ立場は異なるが、その講演から期待されるのは、"エンターテインメン卜拡大"の方向性を示唆し、よりマクロな観点から開発者たちのモチベーションを高めるということに集約される。

今、テレビゲーム、スマー卜フォン・ゲーム、さらに範囲を拡大したコンピュータエンターテインメン卜の世界では、仮想世界と現実世界の融合、現実世界とコンピュータの融合が、急速に進行している。その3つがトライアングルを組み、新たなエンターテインメントを形作っていく。CEDEC2015 の基調講演は、この構造を的確に象徴する人選となっている。

問題提起か?提言か?メディアデザインの権威が語る『つくる、というということ』とは?

学際から登壇する慶慮義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の中村伊知哉氏の講演テーマは、「つくる、ということ」。概要をみると、さまざまな社会事象があげられ、・・・きたのか、・・・いるのか、・・・するのか、という問いかけが並び、最後には「ぼくはあなたに勝てるのか。あなたはこれから何をつくるのか。」で結ばれている。「内閣官房クールジャパン戦略会議」の委員を務め、『コンテンツと国家戦略』の著書もあるように、日本発のコンテンツに関する見識も厚い。一方では、テクノロジー(機械)を使って人間の能力を補助・拡張して行うスポーツの創造を目指す「超人スポーツ委員会Jの発足メンバーにも名を連ね、また音楽プロデューサーも務める。

その活動には、既存のエンターテインメン卜の枠にはとらわれす、ゲーム開発者たちとは違う視点からの発想がうかがえる。そうした発想からは、現実世界、仮想世界、コンピュータ技術のトライアングルが連鎖して生まれる次世代エンターテインメント創造の方向性も見えてくるだろう。同氏の専門分野は、メディアデザインだ。どんな場面で、どんなメディアデザインが必要になるのか。同氏の講演は間違いなく、ゲーム開発者たちにとって、驚きを与えつつも新たな気づきを生む場となるだろう。

仮想世界と現実世界、コンピュータ・テクノロジーの3つを融合して発想するエンターテインメント。

株式会社ライゾマティクスの真鍋大度氏は、米Apple社のMac誕生30周年スペシャルサイトで、11人のキーパーソンの一人に選出されるなど国際的評価も高いメディアアーテイス卜だ。真鍋氏を一躍有名にしたのは、世界的人気の女性3人の音楽ユニットのステージ演出だ。演奏する曲目にあわせて、プロジェクション・マッピングによりステージ衣装に色鮮やかな画像を映写し、観客を楽しませる。2014年には、この衣装演出に加えて10数台のドローンを飛ばし、光とともに踊りとシンクロさせた。どこが映像でどこがリアルな衣装なのか境目がない。リアル(=現実)な衣装とプロジェクションマッピング(=仮想)による映像、それにドローンの組み合わせは、まさしく、これからのエンターテインメントを象徴する。そして、今、真鍋氏Twitterのビッグデータを展示物に生かすことや、Alが、ダンスフロアーの盛り上がりを感じ取って、由選定をする試みまで、行っているという。

リアルとコンピュータを融合して、発想したことを実現することで、まったく新しい価値が生まれる。テク二力ルな裏打ちがある。発想を実現するために何をどう組み合わせればいいのかという見識も持ち、組み合わせる既存の"モノ"がなければ、そこで、諦めす作ってしまうというバイタリティさえ併せ持つ。同氏の発想から生まれたエンターテインメン卜があらたな面白さを紡いでいく。「是非、そうした発想を自らに融合していきたい。」

ゲーム開発者にとどまらす、すべての受講者がそう触発されるのではないか。

コラポレーションを超えたメディアミックスをどう展開しているのか。

ゲーム業界からは、開発者に限らず、クリ工イタ一、マーケッターなどゲーム業界すべて、さらには、さまざまな業界からもそのビジネスモデルに注目が集まっている、株式会社レベルファイブ代表取締役社長/CEOでクリ工イタ−&ブロテ'ユーサーでもある日野晃博氏が登壇する。同氏が手掛けたゲームは、「レイトン教授」シリーズ(2007年~)、「ダンボール戦機Jシリーズ( 2 0 1 1年~)、「妖怪ウォッチ」シリーズ(2014年~)、などなど。特に注目すべきは、「妖怪ウォッチJが、ゲームを起点に、ゲームの世界観を忠実に表現した少年漫画や、テレビ・アニメ、映画、キャラクターグッズがともにヒッ卜していることだ。「妖怪ウォッチ」のキャラクターや物語が、日常的にゲームを楽しまない層にまで浸透し、社会現象さえ生んでいる。YouTube に公開されている「ようかい体操第一」の閲覧回数は、およそ9,700万回と驚異的な数字だ。過去にもミリオンセラーを記録したゲームの漫画連載の例はあるが、その多くは、ゲームの大ヒットが前提になっている。また、玩具として誕生したキャラクターが漫画やアニメ−ションに転じたケースは数多くある。しかし、ゲームが起点となり全てを同時進行で進めるメディアミックスとなると成功例は多くない。当然、大きなリスクも予想される。

ゲームに限らず、今、新たな需要の創出、市場形成を意図した、異業種との「コラポレーション」による多くのプロジェクトが試みられている。日野氏によるプロデュースとの差はどこにあるのか?その秘密が明らかに、と言えばいささか大袈裟だが、日野氏のクロスメディアは、最初から協働することを前提に作られているというのだ。その考え方の一端が分かれば、これからのビジネスモデル構築には大いに参考になるはすだ。ビジネスモデル構築のヒントが公開されることに期待が集まる。

コンピュータエンターテインメント開発と言うと、コンピュータ技術に代表される理系的知識と発想、アーティスティックな発想だけがクローズアップされるが、今は、社会学的知識、経済学的見識など文系的発想も求められている。人々が何を求めているのか、それにどう応えるのか。エンターテインメン卜に限らず、すべての産業分野で必要とされている見識だ。開発者には、人の心を聞くノウハウを身に付けることさえ求められる。CEDECが、"気づき"や"動機づけ"の場となり、その一歩を踏み出させてくれるだろう。

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