公募フォームの書き方 良い例・悪い例

応募時にご記入頂く内容について、取り扱うテーマが興味深いものであっても、書き方によっては内容が十分に伝わらず、採択の判断ができない(不採択となってしまう)ケースがいくつか見られます。 ここで公募フォームの記入内容について、書き方としての良い例・悪い例を「カレー作り」を題材にして例示致します。もちろんこの通りでないと採択されないというものではありませんが、ご応募頂く際にご一考いただければ幸いです。

CEDEC運営委員会インタビュー
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良い例

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悪い例

タイトル 夏バテ対策!体力がつくおいしいカレーの作り方 必見!おいしいカレーの作り方

ポイント:
講演内容について、目的や効果、手段等がタイトルを見ただけでも分かりやすくまとまっている。

ポイント:
インパクトはあるが、抽象的な表現が使われており、一見しただけでは内容が不明。

内容

本セッションでは、まず元来カレーが持っている効能について説明します。
それに加えて体力をつけるために効果的な食材として本セッションで取り上げる
ニンニクを使った調理法を紹介します。
そしてニンニク特有のにおいに関する問題点についての解決法も紹介します。
においの解消に密接に関わる飲み物、デザートも含めたご紹介になります。
ニンニクの利用法、におい対策について、より効果的な方法を、具体的に解説致します。

本セッションでは、カレーに関する説明と、秘伝のカレーのレシピについてお話します。
また、使用する食材や調理の際に苦労した点も共有します。

ポイント:
どういった内容の講演かについて具体的かつ分かりやすくまとめられている。

ポイント:
セッション内で話される具体的な内容が不明なため、
受講者が有用なセッションであるかの判断がつきにくくなってしまっている。

受講スキル

夏場に食欲や元気が出ないと感じたときの料理をお探しの方。
簡単な料理の経験がある方。

料理好きな方。カレー好きな方。

ポイント:
聴講者が受講セッションを選択する際に参考になるように、このセッションの対象者が明確になっている。

ポイント:
セッション内で話される具体的な内容が不明なため、
対象の設定が広すぎるため、具体的に対象となる聴講者を明確にできる書き方が望ましい。

得られる知見

夏バテ対策としてニンニクをカレーに入れることで、効能・おいしさともに増幅できること。
においがあるからと敬遠されがちだが、においへの対処が可能なこと、またその対処方法。

カレーの作り方。

ポイント:
このセッションを受講することでどんな情報が得られるかが端的にまとまっている。

ポイント:
本講演ならではの得られる知見について書かれていない。

詳細

 

  • カレーの栄養素とその効果の説明:[15分]
  • カレーには食欲を増進する香辛料が多く含まれています。
  • また、カレーは炭水化物・タンパク質・ビタミンなどの栄養がバランスよくとることができ、
  • これらは、夏バテに有効なものばかりです。
  • 実際のセッションでは効能について数字も交えた表も使って補足する予定です。
  • カレー自体が夏バテ対策として有効な食事であるということについてまず紹介します。
  • 本講演の特徴である効果的な食材の説明:[10分]
  • 通常の材料に加え、体力をつけるのに効果的な、ニンニクを入れます。
  • ニンニクには体力増強と疲労回復の効果があります。
  • ニンニクは風味の強い食材ですが、カレー自体も風味が強いため、
  • 適量のニンニクでは味のバランスを大きく崩すことはありません。
  • むしろ好みの量に調整することで風味が上がります。
  • 粒やスライスで入れると風味に偏りが出ますので、すりおろしてルーに混ぜ込みます。
  • ニンニクを使用することの副作用「におい」への対処:[15分]
  • ニンニクは、副作用としてにおいが気になります。
  • しかし加熱調理することでにおいが弱まりますので、カレーとの相性は抜群です。
  • ですが全くにおいがなくなることはありませんので、におい消しに効果があるものを同時に用意します。
  • 牛乳は効果があると言われていますが、緑茶の方が効果が高いようです。
  • 飲み物はにおいに対して即効性を発揮するため、食後ではなく同時に摂るようにするとより効果的です。
  • また、同じく効果のあると言われているリンゴをデザートとして用意します。
  • リンゴはポリフェノールと酵素により効果を発揮しますので、
  • ジュースは加工されていて効果が薄いので、カットして生で出します。
  • また、皮の付近にポリフェノールが多く含まれるため、よく洗って皮ごと出すと更に効果的です。
  • まとめ:[10分]
  • もともとのカレーのもつポテンシャルの確認。
  • 加えてニンニクを入れることで得られる効果。
  • 副作用である「におい」への対処法。
  • (上記各ポイントのおさらい)
  • これらを実践することで、体力がつき、食欲も回復して夏バテをより効果的に解消することができる、
  • ということを要点を再確認できるようにまとめます。
  • 質疑応答:[10分]
  • ※講演時間:計60分

 

カレーの効能についておさらいします。
その上で体力をつけるのに効果的な食材をご紹介します。
また、調理の際に工夫した点や、問題点とその解決策もあわせてご紹介します。
飲み物やデザート等も含めてトータルでのご提案となります。
とても効果がありおいしく仕上がりますので、おすすめのレシピになります。
夏バテ解消には必見です!

ポイント:
講演内容が項目順に分かりやすくかつ具体的にまとめられており、
実際の講演で話される内容が正確に把握でき、採択の判断がしやすい内容になっている。
また、各項目にどれくらいの時間を割くかの時間配分も書かれているので、
それぞれの項目がどの程度の密度になるかについて読み取れる点も判断の参考になる。

ポイント:
「詳細」欄については講演内容自体の価値を審査するための詳細情報になるため、抽象的な書き方はNG。
実際の講演にて話をされる具体的な内容の記載が必要。
この例においては、「具体的な食材とは何か」「調理の際にどう工夫したのか」そして「何がどう解決されたのか」
という具体的な事例が記載されていないため、「今求められているトピックか」「過去に類似の講演がなかったか」
といったことの確認も含めて採択するべき講演かどうかを判断することが難しくなってしまっている。 ※注:
「詳細」の内容は講演前にWEBに掲載されることはありません。
講演内容の審査にのみ使われる情報となりますので、できるだけ当日話す内容に近い具体的な記載をお願いします。

上記はレギュラーセッション(60分)の公募例になります。
その他の各セッション形式については、情報の精度は上記の例を参考に、各セッション形式特有の記入ポイントを下記に補足致します。

ショートセッション(25分) 短い時間での講演となりますので、講演のポイントをより明確にご記載下さい。
パネルディスカッション(60分)

議論のテーマに加えて、パネリストについては確定ではなくても候補者の明記をお願い致します。
人数については司会者(モデレータ)とあわせて3名程度を目安に、内容に応じてご検討の上明記して下さい。

ラウンドテーブル(60分)

どういった議題についてディスカッションするかに加えて、活発なディスカッションを実現するために、
話題提供者のみならず参加者が発言しやすい環境をどう用意するかについても明示をお願い致します。

インタラクティブセッション

デモンストレーションを行う場合には説明資料として分かりやすい動画があることが望ましいです。
※但し、必須ではありません。

ワークショップ

ワークショップで体験する内容はもちろんのこと、受講者が体験する作業の内容を踏まえて、
下記の各項目について詳細をご記載下さい。

  • 使用する道具、機材とその用意方法
  • 部屋のレイアウト
  • 講師の数とその候補者の一覧(簡単なプロフィール)
  • それぞれの講師の役割
  • セッション時間内での作業の時間割

 

チュートリアル

講義テーマの詳細に加えて、なぜそのチュートリアルを今やるべきかの背景についても詳しくご記載下さい。

CEDEC CHALLENGE

実施内容の詳細に加えて、下記の各項目についても詳細をご記載下さい。

  • 参加者の手配方法(招待か募集か等。またその選定基準や方法も)
  • レビュアーや審査員のプロフィール
  • レビュアーや審査員のプロフィール
  • 使用する機材、会場に必要な設備等
  • 特別な準備が必要な場合の詳細
  • 実施場所についての希望
  • 当日の運営体制

 

審査における確認ポイントとアドバイス:

上記の記入例に則って頂いた場合でも、審査の際に下記のような判断により不採択となるケースも多く見られます。
1例1例を具体的に取り上げることはできませんが、下記に該当する(と判断される)ような内容になっていないか、ご応募の際に改めて見直して頂けますと幸いです。
 ・詳細な説明や具体例の記述が不足している。
 ・(技術的に)特筆すべき点が明確になっていない。
 ・具体的な手法についてあいまいな部分がある。
 ・取り組まれた内容に対する結果が記載されていない。
 ・一般事例や過去事例と差別化された、本講演ならではの内容を読み取ることができない。
 ・受講者にとって有用なセッションであると判断ができない。
 ・受講者が得られる知見があると判断ができない。