CEDEC運営委員会インタビュー
CEDEC2024 ゲームデザイン分野インタビュー
ゲームデザイン分野 主担当 松永 純
- ──ゲームデザイン分野における最新の特徴を教えてください。
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松永:
ゲームデザイン分野は、ゲームのユーザー体験やそれに伴うルール設計、データ設計から実際の運用など幅広く扱う分野です。シナリオやキャラクター設計などの文系的な領域から、レベルデザインやマネタイズモデルといった理系的な領域まで様々なテーマを担当しています。
この分野の最新の特徴は「遊び」が多様化していることです。グローバルを舞台にしたAAAタイトルとインディーゲームの二極化、VRやメタバースなどの現実拡張、そしてeスポーツやゲーム配信文化などによるプレイヤー関係性の変化などです。ジャンルごとにゲームファンを楽しませる手法は異なっており、幅広い知見が必要とされる状況だと言えるでしょう。
- ──この分野で特に求めているトピックを教えてください。
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松永:
多様化が進んでいる状況なので、本当に幅広い知見を歓迎しています。トピックにこだわらずぜひ様々なセッションをご応募頂きたいです。
そのうえで挙げるなら、AAAタイトルとインディータイトルの開発トピックは特にお願いしたいです。
AAAはやはり挑戦できるメーカーが限られている状況、インディーズは逆にこうした場にご応募いただく機会が少ない点から、どちらも求められている声に対してセッションが足りていないと考えています。経験を得た方に、ぜひご参加いただきたいです。
またグローバル対応やAIの活用といった、時代が次のステージに進むにあたっての必要な知見も、ぜひにと思います。
- ──ご自身の経験や過去の応募者の反応から、応募するメリットはどう感じていますか?
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松永:
この分野の知見は、定量化やマニュアル化が難しいものが多いです。
そのためご自身が勝ち得た経験と技術を、客観的に見つめ直せることが何よりの価値だと思います。
- ──CEDECでの登壇メリットについてはどう感じていますか?
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松永:
GD分野の専門性の高い技術は、一見何が凄いのか、なんの役に立つのか、分かりづらいものだと思います。
例えば、ユーザーがずっと興奮し続けてくれるレベルデザインの妙ですとか、ぱっと触れた瞬間に好きになってしまうキャラクター設計のテクニックですとか、ボタンを連打しているだけで気持ちいいバトルデザインのロジックですとか。それは絵がすごく奇麗になるとか、大量のデータを処理できるといった明快な技術知見と比べると、そもそも技術として認知されづらいものです。
講演の実績や、取材記事がネット上に残ることで、それが自身にとっての使いやすい名刺となります。
遊びが多様化している今、ご自身がどんな知見を持っているか示せることは、次の新しい挑戦やステップアップにつながるものと思います。
- ──最後に、公募を検討している方へメッセージをお願いします。
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松永:
ゲームデザイン分野の中心にある「遊び」にマニュアル的な正解はなく、そして多様化はどんどん進んでいます。
それゆえに自身の何気ないと思っていた経験が、じつは他の人にとって価値のある内容だということが多々あります。
体系化した知識を伝えるというだけでなく、失敗談・成功談を含めたご自身の経験をお話しいただくだけでも分野自体の成長・拡大につながります。
皆様、ぜひ積極的にご応募をお願いいたします!