インタビュー:ビジュアルアーツ分野
回答者:櫻井 慶子

ご自身が扱う分野の最新の特徴とは?

ビジュアルアーツ分野はデジタルコンテンツの表現全般を広く捉え、コンピュータエンターテインメント全般において新しい表現手法や制作フローを追求しつつ、多様化していくメディアに対応する技術を取り扱っております。
視覚的要素を対象としているため、ゲーム以外に映像やアニメーション分野からの公募も広く取り扱っております。
最新の特徴としては、スマートフォン、コンシューマ、PC、VR等マルチプラットフォーム化がよく行われているため、それらに柔軟に対応できるグラフィックス制作手法が重要視されております。また、機械学習を活用したアセット管理も導入例がありますと大変参考になると思います。

この分野で特に求めているトピックは?

先ほど話した部分と被りますが、マルチプラットフォームへの対応はビジュアルアーツ目線から見た各種パフォーマンスの最適化、あらゆる画面に対応する柔軟なUI、そして入力デバイスによって変化するUX等、該当する技術は多岐にわたる為、特に求められているトピックとして挙げております。
また、毎年恒例ではありますがコンセプトアートやキャラクターデザインなど、芸術的な面からストーリーテリングを支えるノウハウを扱う公募も募集しております。

運営委員から見た応募することで得られること(ご自身の経験や過去の応募者の声など)

CEDECに応募する、という事は一度自分が学んできたことを振り返り、まとめるチャンスだと思います。社内においてもなかなか共有するタイミングや準備する機会が無いけれど、実は需要がありそう、と思っている物をこの機会に整理してみてはいかがでしょうか。採択されなかったとしてもその資料は財産になると思いますし、採択され、登壇できれば更なるメリットが数多くあります。

CEDECでの登壇メリットについて

ゲーム業界で働いていると、どうしても会社を超えた同業者の横のつながりを作る事が難しいと感じる時があると思いますが、CEDECに登壇することによって他社のクリエイターと意見交換する機会ができます。
私の場合、CEDECに登壇したことで知り合った方から数年前にお声がけいただき、今こうしてCEDECの運営委員に参加しています。登壇がきっかけとなり活動の幅が広がりました。
また、本イベントは国内でも注目度の高いゲーム開発者コンファレンスなので講演が記事となる事も多く、ご自身のキャリアアップや自社のイメージアップへと繋がるチャンスの場でもあります。

公募を検討している方へのメッセージ

昨年に引き続き今年のCEDECもオンライン開催となりましたので、リアル参加が難しかった方や、人前で話すのが苦手な方でも気軽に応募を検討してみてはいかがでしょうか。
コンセプトアートや3Dからパイプラインや育成の話まで、ご自身の普段の業務を通じて得た知見を求める同業者は多いと思います。
特に求めているトピックでなく、「一般的かな?」と思うような内容であっても、ゲーム業界にとって財産となる情報の可能性がありますので、先ずは出してみてはいかがでしょうか。
講演に対する参加者からのフィードバックを得る事によって、新たな発見ができるかもしれません。
今年のCEDECも盛り上げていけるよう、皆様の応募を楽しみにお待ちしております。