インタビュー:サウンド分野
回答者:塚越 晋

ご自身が扱う分野の最新の特徴とは?

サウンド分野ではゲームサウンドはもちろんのこと、コンピュータエンタテインメント全般のサウンドに関わる技術、表現、またそれに関わる環境構築やワークフローなどを取り扱います。
たとえばゲームサウンドは主に、楽曲、効果音、ボイスに大別できますが、その収録・制作・編集といったクリエイティブだけでなく、環境構築、サウンドアセット管理、ワークフローやパイプラインの整備、実装上の効率化の工夫といったことまで含まれています。
また信号処理、空間音響など研究・開発寄りの話題も取り扱っています。近年機械学習を利用したワークフローや音声合成の事例なども増えてきました。
このようにアート、クリエイティブな分野からエンジニアリング分野まで内包しているのが最大の特徴です。
また、セッション中では実際のサウンドを聞きながら進行するセッションが多いのも特徴です。
ボイスの収録や楽器の収録など、多人数が同時に関わることが多い業務があるのも特徴の一つですが、コロナ禍では多数の現場でリモート化しました。急激な変化の中で様々な工夫をされた事例の紹介があり、今後もこの流れは続くかと思います。多くの事例から業務の効率化などのヒントになるのではないでしょうか。

この分野で特に求めているトピックは?

去年とほぼ同じ内容となっていますので詳細は省きますが、以下のようになっています。
1.イマーシブオーディオの事例や研究成果
2.インタラクティブミュージック演出及び動的生成・合成
3.音響効果の新概念提案や挑戦事例
4.機械学習やディープラーニングの活用
5.開発ツール・オーサリング環境の自動化・効率化、他ソフトウェアとの連携事例
6.リモートでのサウンド制作事例
特にイマーシブオーディオの事例や研究成果については、新しいコンソール機への対応や効果的な使い方の事例などがこの1~2年で得られたのではないでしょうか。苦労した点や成功/失敗事例について大いに語っていただきたいと思っています。

運営委員から見た応募することで得られること(ご自身の経験や過去の応募者の声など)

応募するにあたって、自信がやってきたことを改めて振り返ることになります。その中で資料が正しいのか、説明が足りているか精査することで自身の中の知識がより深まります。応募して落選したとしてもその作業は決して無駄にはならず、必ず自身の糧になります。

CEDECでの登壇メリットについて

登壇することで社内で取り組んでいること、実現したことなどがアピールできます。また、独立系の方も自信が取り組んだこと、得意な事のアピールに繋がるでしょう。そして同じような取り組みをし、苦労している、成功しているなどの同士が無からず見つかり、より深く知識の共有ができます。

公募を検討している方へのメッセージ

コロナ禍で大きく仕事の在り様が変わった方が多い分野だと思います。その中で工夫をしてどのように効率化をしたのか、コミュニケーションを図ったのかなどの成果は将来大きく業界に貢献することと確信しています。
今年もオンラインでのセッションになりますが、サウンドはヘッドホンで聞けるというメリットもあります。小さな差を聞くような比較もやりやすいと思いますので、積極的に活用してみてください。