CEDEC 2020 プロダクション分野インタビュー

分野「プロダクション」
担当者「田口昌宏」


――1.分野の紹介をお願いします。

田口:プロダクション分野は、ゲーム開発における開発工程や、プロダクトを管理するための手法や環境などを主に扱う分野になります。またそれらに紐付きまして、会社や組織に関するトピックも扱います。例えば、ナレッジの共有、蓄積、教育、採用、人材育成などの具体的な事例を取り扱います。
 

――2.この分野における講演の特徴はなんですか?

田口:プロダクション分野の講演では、とにかく具体的な事例の発表が多いです。これはプロダクション分野で扱うテーマは、人や環境に依存することが多く、すなわち教科書通りに行かないことが多いためです。なので実際の開発現場でやってみた事例は非常に貴重な情報となります。
また、『コミュニケーション』に関わることを扱うセッションが多いのも特徴の1つになります。ここ近年のゲーム開発では、コミュニケーションが非常に重要ですが、実際にはうまくいかないケースもあり、多くの現場で課題になっています。よって実際の現場でコミュニケーションに関して工夫した話は需要が高いです。

 

――3.昨今のトレンドはなんですか?

田口:ここ数年、機械学習を用いた取り組みが増えてきています。まだ局所的だったり単純なことにしか適応できていなかったりしていますが、これからますます実用的な適応事例が発表されることと思います。
あと、クラウド環境の導入が増えてきているなと感じてきています。特にコンシューマ開発ではオンプレミス環境が多かったと思いますが、技術や環境の進化によってクラウドの利便性をうまく活用している事例もよく聞くようになりました。 あとは、これは昨今というわけではないですが『コミュニケーション』に関する話題はみんなの興味の高いところではあります。

 

――4.トレンドを踏まえ、個人的にぜひ聞きたいトピックはありますか?

田口:まずは機械学習に関する講演ですね。ソフトウェアテストの分野での適応は実用的になってきている印象ですし、アセット制作の現場でも実用的な事例も挙がってきています。より開発効率が良くなる事例には非常に興味があります。それと、リモートワークのような多様な働き方ができる環境や制度などに興味があります。例えばコンシューマ分野でのリモートワークは難しいとされてきていましたが、最近では環境やアプリケーションが進歩してきたので、リモートワークに関するハードルもかなり下がってきたのではないかと感じています。

 

――5.過去応募者からの反応はいかがですか?

田口:登壇後に話しかけに来てくれる方が多いと聞いています。プロダクション分野は特に講演では語れない泥臭い話も結構あるので、そういったことを聞いて盛り上がるそうです。

 

――6.応募を考えている方へのメッセージをお願いします。

田口:プロダクション分野の扱う範囲は非常に広いです。みなさんの現場で実際にやっている些細なことが実は他の現場での課題を解決できることかも知れません。プロダクション分野では、そういった現場でちょっと工夫してみた事例を非常に大事にしていますので、些細なことでもぜひ応募してみてください。

 

――ありがとうございました。