CEDEC 2020 ゲームデザイン分野インタビュー

分野「ゲームデザイン分野」
担当者「山口誠・山田倫之」


――1.分野の紹介をお願いします。

ゲーム開発において、ゲームの内容やルールを作っていく分野です。 一言にゲームの内容やルールといっても、その種類は多岐にわたります。 いわゆるUXデザイン、ユーザーの体験そのものを何を作るか、どう作るかという根源的なところから、シナリオやキャラクターの設定を含めたストーリーに関する文学的なものや、レベルデザイン、マネタイズモデル、KPI分析を含めた運営の設計など数学的なものなど様々です。

 

――2.この分野における講演の特徴はなんですか?

ストーリーテリングの手法から、AIの使い方まで、分野定義のように様々な種類の講演があることが特徴です。 この境界線があいまいであることにより、幅広い講演を受け入れられる分野でもあり、去年はアナログゲームのゲームデザイナーの方や教育系アプリの方にも講演いただきました。さらに毎年恒例の講演として、「PERACON」という、ペラ1枚の学生・アマ・プロを問わない企画書コンテストが行われているなど、育成的な講演などもあります。このようにゲームのデザインに関わりそうな知識や経験であれば、どんな講演でも歓迎する土壌があります。

 

――3.昨今のトレンドはなんですか?

カテゴリとしては、ここ数年はやはり機械学習を含めた「AI」や「VR・AR」といった仮想現実、拡張現実のコンテンツについての講演が必ず入っている印象です。 AIに関しては、機械学習をゲームデザインにどう活かすのか、という具体的な事例が上がり始め、今年も引き続きその流れの中で様々な事例が出るのではと期待しております。「VR・AR」については、ゲームコンテンツとしては比較的落ちついてきている雰囲気を感じていますが、そのような時期だからこそ、斬新なアイデアなどのゲームデザイン側からの活性化が期待されます。また、ビッグタイトルのリリース後は、そのタイトルで得られた知見が講演される傾向にあり、昨年もそのような開発者の方々から有意義な講演をいただきました。

 

――4.トレンドを踏まえ、個人的にぜひ聞きたいトピックはありますか?

昨年はゲームデザイン分野として「eスポーツ」の講演がなかったのですが、様々な大会が開催される中で得られた知見として、運営的な観点やeスポーツとして必要なゲームデザイン、追加で検討すべき事項などをご講演いただけたらと、今年は期待しております。
そして、去年から今年にかけて、コンソール系でビックタイトルが多く出た年でした。
このようなビッグタイトル、大規模開発でのゲームデザイン、新シリーズならではの新しいチャレンジ、リメイクならではの苦労など、ゲームデザイン分野では中々ビッグタイトルに関わった方の講演は数が少ないので、ぜひリリース後のこのタイミングでお話しが伺えたら非常にありがたいと思います。
また、個人的には、「現実でメリットのあるゲーム」の広がりに可能性を感じており、筋肉トレーニングを促進、継続されるような現実での行動を変えるゲームデザインについては非常に興味があります。

 

――5.過去応募者からの反応はいかがですか?(個人を特定しない形で)

「ふだん技術として認識されていないようなテーマでも、興味をもって聞いてくれる方が多く、その後情報交換などもできて有意義だった」 「講演以降、講演内容を知ってくれた方と、深い話をしやすくなった」「自身の興味のある領域の、認知度アップに貢献できた気がする」など、スキルアップや人脈の広がり、業界貢献まで、有意義であったというご意見をいただいております。

 

――6.応募を考えている方へのメッセージをお願いします。

毎年のメッセージになるのですが、年齢や内容問わず、少しでも気になっている方は、チャレンジの意味も含めて、ぜひご応募いただきたいです。 ゲームデザイン分野は分野定義自体が多岐にわたるため、この内容はゲームデザインなのか?とか、「アイデアを出しただけだし」「普通に実装しただけだし」のように、これぐらいの内容で講演しても価値がないのでは?など尻込みしがちです。 それだけに、講演していただくこと自体が多くのゲームデザイナーのメリットになり知見になります。アイデアの発想方法や経験自体が、その人ならではの内容になると自信をもって講演いただければ幸いです。 ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。

 

――ありがとうございました。