CEDECセッション分野定義
青色で記されてる項目は、CEDEC 2020で特に注目しているトピックです。

ENG (エンジニアリング)

エンジニアリング分野は、コンピュータエンターテインメントシステムの開発・運用に必要とされる、プログラミング技術、グラフィックス・レンダリング技術、ハードウェアを深く理解し利用する技術、シミュレーションなどの数理科学を応用した技術、開発・運用の効率化を支える技術、ネットワーク・データベース・システム/サービスの設計・構築に関わる技術、不正・セキュリティ対策に関わる技術、及びそれらの事例を取り扱う分野となります。

先端技術実用化

  • コンピュータエンターテインメントにおけるIoTやロボティクス
  • ドローン、AIスピーカー、ウェアラブル、プロジェクターなど、様々なデバイスのエンターテインメントへの活用事例

開発技術

  • コンピュータエンターテインメントにおける機械学習の研究や活用事例
  • プラットフォームならではの技術や実例(コンソール、スマートフォン、WEBなど)
  • スケーラビリティのあるクロスプラットフォームを実現する技術
  • 不正行為の探知と、デジタルコンテンツ・サービスを不正行為から保護する技術(DRM、暗号化、チート対策など)
  • 汎用ゲームエンジンにおける低レイヤの最適化や独自実装の活用
  • サーバ・ネットワークのコンテナ・仮想化設計事例
  • グラフィックス、レンダリング技術
  • データベースボトルネックの調査・推定方法、チューニング手法
  • ランタイムにおけるリソース・アセットマネジメントの事例
  • プログラミング言語全般
  • ローレベルプログラミング(マルチコア、マルチスレッド制御、最適化、高速化、メモリ管理など)
  • アーキテクチャ設計の実例や考察(デザインパターンなど)
  • コンパイラ、ツールチェーン、IDE、インハウスツールなどの最適化
  • GPUなどの活用事例(物理演算、ディープラーニングなど)
  • ソフトウェア・エンジニアのための組み込みデバイスプログラミング紹介
  • プロシージャル技術の活用事例
  • Android端末のような多種多様なデバイスを対象としたソフトウェアのテスト・デバッグ技法
  • 無線通信の活用事例(無線LAN, Bluetooth, NFC, LPWA など)
  • モバイルデバイスによる大規模オンラインコンテンツやリアルタイム通信対戦コンテンツの開発事例
  • 先進的なWeb・ネットワーク技術の活用事例(HTTP/2, HTTP/3, WebSocket, WebRTC, IPv6など)
  • ネットワーク負荷、遅延、損失などに対する設計技術・テスト技法
  • サーバ構築・運用の自動化技術
  • ビッグデータ(プレイログなど)の効率的なデータマイニング技法や、BIツールの活用事例
  • サーバレスアーキテクチャの解説や活用事例
  • 詳細分野の深い技術(VR、AR、物理シミュレーション、AI、描画、キャラクター制御、コリジョン、UIなど)
  • サーバ・サービスの障害やメンテナンスへの対策手法
  • ハプティック技術や、音声認識・画像認識を活用した、コンテンツの新しいインターフェース
  • テストの自動化、QAの効率化といった、ソフトウェア品質向上のための具体的な事例
  • ユーザーに合わせたゲームプレイの自動調整
  • ブロックチェーンの応用事例
  • ストーリーやゲームレベルの自動生成手法
  • チャットボット技術、対話システムの実装
  • ビルドシステムや開発環境の仮想化または分散化
  • クラウド環境を生かした、ゲームプロセスの共有化、最適化
  • バーチャルキャラクター・アバターを中心とした映像配信、モーションキャプチャー、インタラクティブ技術

PRD (プロダクション)

プロダクション分野は、コンピュータエンターテインメントにおける開発工程や、プロダクトを管理するための手法や環境、ナレッジの共有、蓄積、教育、採用、人材育成に関する取り組み、などの具体的な事例を取り扱う分野となります。

プロセスマネジメント(工程・戦略に関する議論)

  • 機械学習やプロシージャル技術等による効率的なコンテンツ・アセット製作
  • プロジェクトマネージャーの役割と業務範囲
  • 大規模開発におけるプロトタイピング事例
  • チームの自己組織化を促進するための取り組み
  • 大規模運営タイトルのワークフロー策定の事例
  • 開発と運用との協調的コラボレーション事例(DevOps)

プラクティス(手法・技法に関する議論)

  • 機械学習を取り入れたソフトウェアテストの事例
  • コミュニケーション・協働開発を支える技術(デジタル・アナログ)
  • ユーザーの行動情報を用いた統計・解析によるプロダクト改善事例
  • プロジェクトやチームの状態を把握するための定量化手法
  • テスト・QAエンジニアリング
  • 開発における自動化の取り組み

ナレッジマネジメント(知識・ノウハウに関する議論)

  • チームのビルディングやマネジメントへの取り組み
  • 組織カルチャーを変えていく取り組みとその効果
  • 社内における効果的な情報共有・コミュニケーション
  • 会社の枠を越えた情報共有・コミュニティ活動の事例
  • 心理的安全性を高める働きかけ
  • マネージャーやリーダーの教育
  • 採用戦略としての企業ブランディング
  • 現代の働き方に合った人事評価制度

≪チュートリアルとして求めているトピック≫

  • ゲーム開発におけるPMBOK活用
  • ゲーム開発におけるJSTQB活用
  • ゲーム業界のDevOps
  • テストフレームワークの導入
  • ゲーム開発におけるアジャイルの考え方
  • 開発内のインフラ環境構築の知見

VA (ビジュアルアーツ)

ビジュアルアーツ分野は、デジタルコンテンツの表現全般を広く捉え、コンピュータエンターテインメント全てにおいての新しい表現手法や制作フローを追求し、多様化していくターゲットに対応する手法を取り扱う分野となります。

レンダリング表現

  • HDRディスプレイに対応した表現
  • 最新ライティング技術の事例
  • NPR表現

モデル

  • キャプチャーによるモデリング
  • 物理シミュレーションによるモデリング手法
  • 大規模アセットの効率的な作成手法
  • スカルプティングモデリング

アニメーション

  • AIを活用したアニメーション
  • RIG関連
  • 特殊なアニメーション表現事例
  • 手書きアニメーションの表現手法
  • 画期的なスキニング手法

エフェクト

  • PBR環境下でのエフェクト表現
  • 最新エフェクト事例
  • ダイナミクスを利用したエフェクト表現
  • アーティスティックなパーティクルコントロール

モーションキャプチャ

  • 様々な入力機器によるモーションキャプチャシステム
  • パフォーマンスキャプチャ
  • リアルタイム・キャラクターパフォーマンス
  • ゲームエンジンとの連携
  • フェイシャルキャプチャ・ハンドキャプチャ

GUI

  • UI/UXを基本としたインターフェース設計
  • マルチプラットフォームへの対応
  • VR/AR/MR環境の為のUIデザイン

ビジュアルワーク・アートディレクション

  • コンセプトアート
  • デザインワーク
  • プリビズ
  • キャラクターデザイン
  • デザインアセットの CI

プロシージャル

  • アニメーション
  • モデリング
  • テクスチャリング
  • 地形生成・レベルデザイン

テクニカルアート

  • 新しいテクノロジーによるビジュアル表現
  • AIを活用したアセットセレクティブシステム
  • テクニカルアーティストの教育、学習
  • パイプライン導入の定量評価事例
  • DCCツールの活用、移行事例
  • 開発環境構築
  • アセット管理、オーサリング関連
  • リニアワークフロー関連

その他

  • モバイル、ソーシャルゲームアセット開発手法
  • 画像補正
  • VR/AR/MRのビジュアル表現
  • 映像、ゲーム、舞台等、多メディア展開でのビジュアル表現
  • レガシーアセットの効率的な再利用
  • ゲームエンジンの映像制作、ゲーム以外への応用例
  • VRコンテンツにおける演出方法、行動誘導の事例
  • MRコンテンツにおけるインターフェース表現
  • ビジュアルアーツ分野における産学連携事例
  • eスポーツにおけるビジュアル表現
  • 他分野とのコラボレーションによるあたらしい表現
  • 上記全ての分野における教育、学習

≪チュートリアルとして求めているトピック≫

  • VFXやTA、プロシージャルにおけるTips紹介のブートキャンプ
  • スキャン、キャプチャー、スカルプティング手法、ワークフロー
  • ビジュアル表現のテンプレートとなる基礎表現
  • 機械学習やAIを活用したビジュアル表現
  • Pythonなどスクリプティング言語でのツール効率化

BP(ビジネス&プロデュース)

ビジネス&プロデュース分野は、コンピュータエンターテインメントのビジネス面から見た成功・失敗事例、プロゲーマやeスポーツを取り巻く環境、インディーズシーン、ファンディング、各種アナリシス、営業手法、権利関係、ゲームプログラミング教育ビジネスなど、その他、タイトル制作における技術に収まらない範囲の知見を取り扱う分野となります。

  • タイトルとユーザー動向などの市場の分析
  • リアル・イベント及びファンコミュニティ醸成の事例紹介
  • 5Gを活用したコンピュータエンターテインメントの事例紹介・提案
  • エッジAIの活用事例紹介・提案
  • ゲームステートをSNS等に送るSDKや、それらを実況などに使用する事例の紹介・提案
  • ブロックチェーンの活用事例紹介
  • ワールドワイドにリーチするデジタルマーケティング手法
  • eスポーツ等、賞金制コンピュータエンターテインメントの事例紹介
  • 業界内における働き方の多様化の事例紹介・提案
  • コンピュータエンターテインメントのアニメ化や映画化などのクロスメディア戦略の事例紹介
  • チャットシステムのゲーム活用事例紹介・提案
  • GDPR対応の事例紹介
  • 国内外のゲームクリエーター教育の事例紹介
  • コンピュータエンターテインメントを用いたプログラミング教育の事例紹介
  • ビジネスモラルに関する事例紹介・提案
  • ペアレンタルコントロールなど低年齢層への法務的配慮事項
  • 作りたいものを作るインディーズの事例紹介
  • クラウドファンディングによる資金調達方法
  • 異業種コラボレーションの事例紹介
  • クロスプラットフォーム、クロスプレイゲームビジネスの事例紹介・提案
  • メディア業界からコンピュータエンターテインメント業界への提案
  • バーチャルキャラクター・アバタービジネスの事例紹介・提案
  • ローカライズ、カルチャライズ業務からの提案
  • ライセンス管理、法務関連の事例紹介
  • オフショア開発の事例紹介と実情の解説
  • 日本発の海外市場におけるビジネス事例紹介
  • コンピュータエンターテインメントビジネスに対しての法務的指摘
  • コンピュータエンターテインメントにおけるマーケティングの事例紹介
  • コンピュータエンターテインメント業界の経営者からの提案

※各項目の事例紹介は成功/失敗どちらのケースも含みます

SND (サウンド)

サウンド分野は、インタラクティブな音響演出、楽曲や効果音制作、音声収録と編集、アセット管理や実装までのワークフロー、ローカライズ、信号処理・空間音響技術など、コンピュータエンターテインメントにおける、ゲームサウンド全般の制作技術や事例を取り扱う分野となります。

特に求めているトピック

  • インタラクティブミュージック演出および動的生成・合成について
  • 音響効果の新概念提案や挑戦事例(信号処理技術の応用、アニメーションとの連動の工夫、物理ベースに対応する表現手法など)
  • 開発ツール・オーサリング環境の自動化・効率化、他ソフトウェアとの連携事例
  • イマーシブ・オーディオ(マルチチャンネル、音の伝搬、VR/AR/MR対応等)の事例や研究成果
  • eスポーツや体験型アトラクションに対応したサウンドデザイン・対応技術などの活用事例・ノウハウ
  • 機械学習やディープラーニングの音声への活用について

サウンド分野で求めている基本トピック

  • ゲームサウンド制作(楽曲制作、効果音制作、インゲームミキシング、サウンドディレクション、サウンドプロデュース)
  • 音声(ボイス収録~実装、ボイスディレクション、ローカライズ関連、音声合成・入力・ボイスチャットの活用事例)
  • サウンドプログラミング(ツール制作や活用、研究開発事例)
  • 開発環境(人員調整・コスト・納期、ワークフロー、他職種との連携、QAなど)
  • ビジネス(音楽著作権・契約業務および関連法規に関する知識)

≪チュートリアルとして求めているトピック≫

  • 機械学習をゲームサウンドに活用するための基礎知識
  • 高次アンビソニックス(HOA)の解説と応用知識
  • 3Dオーディオの応用知識(音場再現、HRTF、マルチチャンネルの活用など)

GD (ゲームデザイン)
 

ゲームデザイン分野は、「面白さ」に代表されるユーザーの心を動かすゲームを創るために、どのようなことを意識し、実行し、検討すべきかについて、実践の中で得られた広い見識・独自の分析や洞察、 他に例がない貴重な経験に関する事例等を取り扱う分野となります。

  • 機械学習を取り入れたメカニクスデザイン
  • eスポーツイベントとゲームデザインの関係
  • 新しいビジネスモデルを伴ったゲームデザインとその具体事例
  • ワールドワイドでの提供を前提としたゲームデザイン
  • クラウドゲームプラットフォームならではのゲームデザイン
  • より良いVR体験の為のシミュレーション手法
  • 効率化のためのAI活用事例
  • テレワーク、チャットツールの普及に伴うゲームデザインの議論手法
  • 錯覚や感覚間相互作用など、認知科学の見地から実現されるゲームデザイン
  • 経済学や心理学の考えを取り入れたゲームデザイン
  • マルチデバイスを意識したゲームデザイン
  • 家電OS上でのコンピュータエンターテインメント技術応用
  • 映像コンテンツにおける新しいUX事例
  • 既存にはないUXを提供するメディアアート
  • 既存のゲームと全く異なるジャンルへの挑戦
  • ゲームデザイナーの育成手法
  • ゲームデザイナースキル向上のための教育ツール
  • ユーザーとの相互情報性を生かしたゲーム事例
  • 継続的なユーザー獲得を可能としたゲーム事例
  • 長期運営を可能とした初期開発および運営におけるメカニクスデザイン
  • 幼児を対象としたゲームデザイン
  • 高齢者を対象としたゲームデザイン
  • 教育に活用されるゲームデザイン
  • エンターテインメント性の高いシリアスゲーム事例
  • ゲームデザイン上のコンプライアンス
  • ゲーム開発や運用においての失敗とそれを踏まえた改善を行い成功した事例
  • インディーゲームで成功したゲームデザイン
  • 長く愛されるシリーズ作品を作るためのゲームデザイン上の工夫
  • 一度途絶えたIPを復活させるためのゲームデザイン
  • 現実世界でのメリット・ベネフィットを追求したゲームデザイン
  • ゲームプレイ配信動画の視聴者とのインタラクションを提供するゲームデザイン

≪チュートリアルとして求めているトピック≫

  • ゲームデザインに使える新たなツールの利用
  • エポックメイキングとなったゲームの誕生にいたる過程
  • ゲームデザイン史から新たな発展を迎えるための学び
AC (アカデミック・基盤技術)
 

アカデミック・基盤技術分野は、エンターテインメント業界からの視点では気付かない新規技術や既存技術の応用例及び、エンターテインメントコンテンツ作成の基盤となる要素技術、学術研究、企業研究の成果について取り扱う分野となります。


先端的なインタラクション技術
  • エンターテインメントに利用可能なインタラクション技術
  • 聴覚・触覚・嗅覚・味覚などを活用したインタラクション
  • バーチャルキャラクター・アバターを活用するためのインタラクション技術
  • 生体情報(指紋、網膜、心拍数、皮膚伝導、脳波、視線など)を活用したシステム
  • 技術による体験の拡張 (人間拡張技術、超人スポーツ )
  • 3Dプリンティング、ラピッドプロトタイピング技術のエンターテインメントコンテンツでの応用
先端的な表示技術
  • 最先端の情報表示技術(ディスプレイ,HMD,プロジェクションシステムなど)
  • ヘッドマウントディスプレイの最新技術や特性を利用した研究例
基盤技術
  • VR/AR/MRのための技術や知見
  • VR/AR/MRの次に来る技術とその活用法
  • 人間の動作や感情を取得するセンシング技術
  • エンターテインメントの評価手法・評価技術・評価分析事例
  • 認知科学、行動心理学などを駆使したエンターテインメントコンテンツと人の関係
  • エンターテインメントコンテンツ作成のためのツール、およびツール開発のための知見
  • ヒューマンインターフェースデバイスの仕組みや応用方法
  • ドローン等の遠隔機器を利用したコンテンツ制作にかかわる技術や話題
  • ディープラーニング・機械学習のエンターテインメントコンテンツ制作への応用
  • ビッグデータをもとにしたエンターテインメントコンテンツ制作技術
  • 既存のゲームの枠組みを拡張する新しいゲームデザイン
他分野との融合や応用
  • 教育、福祉など他の分野へのエンターテインメント応用研究
  • ウェアラブルシステム・ロボット技術など広範な工学分野のエンターテインメントへの応用
  • エンターテインメントの人文科学的研究とその活用法
≪チュートリアルとして求めているトピック≫
  • 各種ディスプレイ技術の最新動向
  • 触覚を活用した表現や体験の構成法
  • 実験計画法および実験データ解析のための統計的手法