CEDECセッション分野定義
青色で記されてる項目は、CEDEC 2019で特に注目しているトピックです。

ENG (エンジニアリング)

エンジニアリング分野は、コンピュータエンターテインメントシステムの開発・運用に必要とされる、プログラミング技術、グラフィックス・レンダリング技術、ハードウェアを深く理解し利用する技術、シミュレーションなどの数理科学を応用した技術、開発・運用の効率化を支える技術、ネットワーク・データベース・システム/サービスの設計・構築に関わる技術、不正・セキュリティ対策に関わる技術、及びそれらの事例を取り扱う分野となります。

先端技術実用化

  • コンピュータエンターテインメントにおけるIoTやロボティクス
  • ドローン、AIスピーカー、ウェアラブル、プロジェクターなど、様々なデバイスのエンターテインメントへの活用事例

開発技術

  • コンピュータエンターテインメントにおける機械学習の研究や活用事例
  • プラットフォームならではの技術や実例(コンソール、スマートフォン、WEBなど)
  • スケーラビリティのあるクロスプラットフォームを実現する技術
  • 不正行為の探知と、デジタルコンテンツ・サービスを不正行為から保護する技術(DRM、暗号化、チート対策など)
  • 汎用ゲームエンジンにおける低レイヤの最適化や独自実装の活用
  • サーバ・ネットワークのコンテナ・仮想化設計事例
  • グラフィックス、レンダリング技術
  • データベースボトルネックの調査・推定方法、チューニング手法
  • ランタイムにおけるリソース・アセットマネジメントの事例
  • プログラミング言語全般
  • ローレベルプログラミング(マルチコア、マルチスレッド制御、最適化、高速化、メモリ管理など)
  • アーキテクチャ設計の実例や考察(デザインパターンなど)
  • コンパイラ、ツールチェーン、IDE、インハウスツールなどの最適化
  • GPUなどの活用事例(物理演算、ディープラーニングなど)
  • ソフトウェア・エンジニアのための組み込みデバイスプログラミング紹介
  • プロシージャル技術の活用事例
  • Android端末のような多種多様なデバイスを対象としたソフトウェアのテスト・デバッグ技法
  • 無線通信の活用事例(無線LAN, Bluetooth, NFC, LPWA など)
  • モバイルデバイスによる大規模オンラインコンテンツやリアルタイム通信対戦コンテンツの開発事例
  • 先進的なWeb・ネットワーク技術の活用事例(HTTP/2, HTTP/3, WebSocket, WebRTC, IPv6など)
  • ネットワーク負荷、遅延、損失などに対する設計技術・テスト技法
  • サーバ構築・運用の自動化技術
  • ビッグデータ(プレイログなど)の効率的なデータマイニング技法や、BIツールの活用事例
  • サーバレスアーキテクチャの解説や活用事例
  • 詳細分野の深い技術(VR、AR、物理シミュレーション、AI、描画、キャラクター制御、コリジョン、UIなど)
  • サーバ・サービスの障害やメンテナンスへの対策手法

PRD (プロダクション)

プロダクション分野は、コンピュータエンターテインメントにおける開発工程や、プロダクトを管理するための手法や環境、ナレッジの共有、蓄積、教育、採用、人材育成に関する取り組み、などの具体的な事例を取り扱う分野となります。

プロセスマネジメント(工程・戦略に関する議論)

  • 機械学習やプロシージャル技術等による効率的なコンテンツ・アセット製作
  • 大規模開発におけるプロトタイピングの手法や工程の事例
  • 開発チームの生産性に関するプロジェクト横断な取り組み
  • 大規模運営タイトルのワークフロー策定の事例

プラクティス(手法・技法に関する議論)

  • プロセスマネジメントの自動化手法
  • 強化学習等のAIによるソフトウェアテストの事例
  • コミュニケーション・協働開発を支える技術(デジタル・アナログ)
  • ユーザーの行動情報を用いた統計・解析によるプロダクト改善事例
  • テスト・QAエンジニアリング

ナレッジマネジメント(知識・ノウハウに関する議論)

  • 社内における効果的な情報共有・コミュニケーション
  • 心理的安全性を高める働きかけ
  • 組織や社内の文化や環境を変えたことによる改善事例
  • 会社の枠を越えた情報共有・コミュニティ活動の事例
  • チームのビルディングやマネジメントへの取り組み
  • 人材育成に関する取り組みと効果測定
  • 企業のブランディングと採用戦略
  • 現代の働き方に合った人事評価制度

VA (ビジュアルアーツ)

ビジュアルアーツ分野は、デジタルコンテンツの表現全般を広く捉え、コンピュータエンターテインメント全てにおいての新しい表現手法や制作フローを追求し、多様化していくターゲットに対応する手法を取り扱う分野となります。

レンダリング表現

  • HDRディスプレイに対応した表現
  • 最新ライティング技術の事例
  • NPR表現

モデル

  • キャプチャーによるモデリング
  • 物理シミュレーションによるモデリング手法
  • 大規模アセットの効率的な作成手法
  • スカルプティングモデリング

アニメーション

  • AIを活用したアニメーション
  • RIG関連
  • 特殊なアニメーション表現事例
  • 手書きアニメーションの表現手法
  • 画期的なスキニング手法

エフェクト

  • PBR環境下でのエフェクト表現
  • 最新エフェクト事例
  • ダイナミクスを利用したエフェクト表現
  • アーティスティックなパーティクルコントロール

モーションキャプチャ

  • 様々な入力機器によるモーションキャプチャシステム
  • パフォーマンスキャプチャ
  • リアルタイム・キャラクターパフォーマンス
  • ゲームエンジンとの連携
  • フェイシャルキャプチャ・ハンドキャプチャ

GUI

  • UI/UXを基本としたインターフェース設計
  • マルチプラットフォームへの対応
  • VR/AR/MR環境の為のUIデザイン

ビジュアルワーク・アートディレクション

  • コンセプトアート
  • デザインワーク
  • プリビズ
  • キャラクターデザイン

プロシージャル

  • アニメーション
  • モデリング
  • テクスチャリング
  • 地形生成・レベルデザイン

テクニカルアート

  • 開発環境構築
  • テクニカルアーティストの教育
  • パイプライン導入の定量評価事例
  • DCCツールの活用、移行事例

アセット管理、オーサリング関連

  • 新しいテクノロジーによるビジュアル表現
  • リニアワークフロー関連

その他

  • モバイル、ソーシャルゲームアセット開発手法
  • モバイルデバイスの色表現、クオリティの統一化
  • 画像補正
  • VR/AR/MRのビジュアル表現
  • 映像、ゲーム、舞台等、多メディア展開でのビジュアル表現
  • レガシーアセットの効率的な再利用
  • ゲームエンジンの映像制作、ゲーム以外への応用例
  • VRコンテンツにおける演出方法、行動誘導の事例
  • MRコンテンツにおけるインターフェース表現
  • ビジュアルアーツ分野における産学連携事例
  • eスポーツにおけるビジュアル表現

 

BP(ビジネス&プロデュース)

ビジネス&プロデュース分野は、コンピュータエンターテインメントのビジネス面から見た成功・失敗事例、プロゲーマやeスポーツを取り巻く環境、インディーズシーン、ファンディング、各種アナリシス、営業手法、権利関係、ゲームプログラミング教育ビジネスなど、その他、タイトル制作における技術に収まらない範囲の知見を取り扱う分野となります。

  • リアル・イベント及びファンコミュニティ醸成の事例紹介
  • 日本発の海外市場におけるビジネス事例紹介
  • eスポーツ等、賞金制コンピュータエンターテインメント関連の事例紹介
  • コンピュータエンターテインメントにおけるマーケティング関連の事例紹介
  • 業界内における働き方の多様化の事例紹介・提案
  • バーチャルユーチューバーや3Dアバタービジネスの事例紹介・提案
  • クロスプラットフォーム、クロスプレイゲームビジネスの事例紹介・提案
  • 創出の事例紹介
  • のアニメ化や映画化などのクロスメディア戦略の事例紹介
  • チャットシステムのゲーム活用事例紹介・提案
  • モバイルゲームの売り切りビジネスのノウハウ
  • F2Pやサブスクリプションで儲けるビジネスモデルの解説
  • GDPR対応における事例紹介
  • エンターテインメントを用いたプログラミング教育の事例紹介
  • ブロックチェーンの活用事例紹介
  • ビジネスモラルに関する事例紹介・提案
  • タイトルとユーザー動向など市場データの分析
  • クラウドファンディングによる資金調達方法
  • コンピュータエンターテインメントビジネスに対しての法務的指摘
  • ペアレンタルコントロールなど低年齢層への法務的配慮事項
  • インディーズシーンにおける事例紹介
  • 異業種コラボレーションの事例紹介
  • メディア業界からコンピュータエンターテインメント業界への提案
  • 成長予測、ビジネス環境の構築手法
  • ローカライズ、カルチャライズ業務からの提案
  • ライセンス管理、法務関連の事例紹介
  • オフショア開発の事例紹介と実情の解説
  • コンピュータエンターテインメント業界の経営者からの提案

※各項目の事例紹介は成功/失敗どちらのケースも含みます

SND (サウンド)

サウンド分野は、インタラクティブな音響演出、楽曲や効果音制作、音声収録と編集、アセット管理や実装までのワークフロー、ローカライズ、信号処理・空間音響技術など、コンピュータエンターテインメントにおける、ゲームサウンド全般の制作技術や事例を取り扱う分野となります。

特に求めているトピック

  • インタラクティブミュージック演出および動的生成・合成について
  • 空間音響を取り入れた音の伝搬や残響表現手法について
  • VR/AR/MRなど新しいデバイスに対応したサウンドデザイン・立体音響効果の事例や研究成果
  • 音響効果・開発ツール・オーサリング環境の新概念提案や挑戦事例
  • モバイルや携帯ゲーム機向けオーディオのノウハウ
  • ゲーム実況やeスポーツに対応したサウンドデザイン・対応技術などの活用事例・ノウハウ
  • ブラウザベースのサウンド(WebAudio)に関するブラウザ別依存性やサウンドデザインについて
  • 自動発音などアニメーションとサウンド連動の工夫
  • 物理シミュレーションに対する効果音表現手法
  • 信号処理技術の活用や応用例、プロシージャル生成への取り組み
  • 機械学習やディープラーニングの音声への活用について
サウンド分野で求める基本トピック
  • ゲームサウンド制作(楽曲制作、効果音制作、サウンドディレクション、サウンドプロデュース)
  • 音声(ボイス収録~実装、ボイスディレクション、ローカライズ関連、音声合成・入力・ボイスチャットの活用事例)
  • サウンドアセット管理(データの編集効率化や自動化、バックアップ・アーカイブ)
  • インゲームミキシング(インタラクティブ・ダイナミックミキシング)
  • サウンドプログラミング(ツール制作や活用、研究開発事例)
  • 開発環境(人員調整・コスト・納期、ワークフロー、他職種との連携、QAなど)
  • ビジネス(音楽著作権・契約業務および関連法規に関する知識)
  • ポストモーテム

GD (ゲームデザイン)
 

ゲームデザイン分野は、「面白さ」に代表されるユーザーの心を動かすゲームを創るために、どのようなことを意識し、実行し、検討すべきかについて、実践の中で得られた広い見識・独自の分析や洞察、 他に例がない貴重な経験に関する事例等を取り扱う分野となります。

  • ナラティブを意識したゲームデザイン
  • 機械学習を取り入れたメカニクスデザイン
  • eスポーツイベントとゲームデザインの関係
  • インディーゲームで成功したゲームデザイン
  • より良いVR体験の為のシミュレーション手法
  • 効率化のためのAI活用事例
  • ゲームデザインに使える新たなツールの利用
  • テレワーク、チャットツールの普及に伴うゲームデザインの議論手法
  • 錯覚や感覚間相互作用など、認知科学の見地から実現されるゲームデザイン
  • 経済学や心理学の考えを取り入れたゲームデザイン
  • ライフログと連携したゲームのメカニクスデザイン
  • マルチデバイスを意識したゲームデザイン
  • 家電OS上でのコンピュータエンターテインメント技術応用
  • 映像コンテンツにおける新しいUX事例
  • 既存にはないUXを提供するメディアアート
  • エポックメイキングとなったゲームの誕生にいたる過程
  • 既存のゲームと全く異なるジャンルへの挑戦
  • オープンワールドを活用したゲーム事例
  • 新しいビジネスモデルを伴ったゲームデザイン
  • 既存とは異なるローカライズを考えたゲームデザイン
  • ゲームデザイナーの育成手法
  • ゲームデザイナースキル向上のための教育ツール
  • ユーザーとの相互情報性を生かしたゲーム事例
  • 継続的なユーザー獲得を可能としたゲーム事例
  • 幼児を対象としたゲームデザイン
  • 高齢者を対象としたゲームデザイン
  • エンターテインメント性の高いシリアスゲーム事例
  • テーマパークの設計事例
  • ゲームデザイン上のコンプライアンス
  • ゲーム開発や運用においての失敗とそれを踏まえた改善を行い成功した事例
AC (アカデミック・基盤技術)
 

アカデミック・基盤技術分野は、エンターテインメント業界からの視点では気付かない新規技術や既存技術の応用例及び、エンターテインメントコンテンツ作成の基盤となる要素技術、学術研究、企業研究の成果について取り扱う分野となります。


先端的なインタラクション技術
  • エンターテインメントに利用可能なインタラクション技術
  • 聴覚・触覚・嗅覚・味覚などを活用したインタラクション
  • バーチャルキャラクター・アバタを活用するためのインタラクション技術
  • 生体情報(指紋,網膜,心拍数,皮膚伝導,脳波,視線など)を活用したシステム
  • 技術による体験の拡張 (人間拡張技術,超人スポーツ )
  • 3Dプリンティング、ラピッドプロトタイピング技術のエンターテインメントコンテンツでの応用
先端的な表示技術
  • 最先端の情報表示技術(ディスプレイ,HMD,プロジェクションシステムなど)
  • ホログラムや液体、空間へのプロジェクション技術の最新動向
  • ヘッドマウントディスプレイの最新技術や特性を利用した研究例
  • 立体視ディスプレイ技術の最新動向
  • 広色域ディスプレイの最新動向
基盤技術
  • VR/AR/MRのための技術や知見
  • 人間の動作や感情を取得するセンシング技術
  • エンターテインメントの評価手法・評価技術・評価分析事例
  • 認知科学、行動心理学などを駆使したエンターテインメントコンテンツと人の関係
  • エンターテインメントコンテンツ作成のためのツール,およびツール開発のための知見
  • ヒューマンインターフェースデバイスの仕組みや応用方法
  • ドローン等の遠隔機器を利用したコンテンツ制作にかかわる技術や話題
  • 認知科学を駆使したゲーム操作画面や情報提示
  • ディープラーニング・機械学習のエンターテインメントコンテンツ制作への応用
  • ビッグデータをもとにしたエンターテインメントコンテンツ制作技術
他分野との融合や応用
  • 教育、福祉など他の分野へのエンターテインメント応用研究
  • ウェアラブルシステム・ロボット技術など広範な工学分野のエンターテインメントへの応用